見下ろし型視点のステルスホラーゲームです。
キャンプ中に妻を惨殺され、子どもたちを誘拐された主人公が、たった一人で事件の調査へと向かいます。
殺人鬼たちの手から子どもたちを救うことができるのか?そして、この街に潜む恐ろしい闇とは?
死にゲーです。
凶悪な初見殺しやトラップが多数仕掛けられているので、一発クリアはほぼ無理でしょう。
何度も死にながら攻略ルートを探っていくタイプのゲームです。
各所でアイテムを入手し、仕掛けを解き、囚われた子どもたちを助けてステージクリアとなります。
全6ステージとなっていて、ボクは初見で10時間ほどでクリアしました。
※かなり残酷な描写が多く、子どもや赤ん坊まで本当に酷い目に遭うので、苦手な方は絶対にプレイしない方が良いです。人体欠損などによるゴア描写はもちろん、精神的に子どもたちを追い詰めているシーンもあります。
本作が普通に発売されていて、遊べるのが奇跡なのでは!?
・鬱ゲーが好きな方
・緊張感のあるゲームがプレイしたい方
・残酷なゲームがプレイしたい方
・ノワールものが好きな方
・ステルスゲーが好きな方
・グロ描写やゴア描写を容赦せずに描いているところ
・救いようのない喪失感を覚えるストーリー
・凄まじい緊張感
・適度なゲームバランス
・プレイ中にいつでもどこでもセーブできる
・無駄なムービーや演出が極めて少ない
・ステージギミックが凝っていて良く出来ている
・テキストファイルデザインが凝っている
・バグが多い(自分は進行不能バグに2度遭遇しました、こまめにセーブすることをおススメします)
・UI(簡単に言えば画面情報)と操作が煩雑
↑のスクショを見れば分かるのですが、アイテムを多く取得するほど画面を圧迫します。
少なくともテキストファイルはアイテム欄に入れる必要は無かったと思います。
また、鍵などもわざわざ装備しなければ使えない仕様も面倒でした。
・敵も罠にハマるので多いに活用しよう(しかも罠にかけた敵はキルカウントされない)
・声を出して敵を誘導するのが戦略的に滅法強い(ステルスゲーあるある)
・ネズミや蜘蛛などは面倒でもちゃんと倒すこと(攻撃されると声で敵に自分の位置がバレる)
・檻の外から攻撃すると一方的に敵を倒せる
・レバーは飴を投げても動かすことができる
・ランプなどの明かりを持っていない敵は暗闇に誘い込めばほぼ勝ち確(後ろからステルスキルしよう)
・意外に犬は簡単に振り切れる、またドアを自分で開けられないので閉じ込めれば無力化できる
・野暮な遊び方かもしれないが…最初から死にゲーだと割り切って特攻しまくるのも有り(ステージギミック、敵の配置、行動パターンはとにかく突っ込んで覚える方が早い)
・実はステージが進むに連れて難しくなるわけではない(ステージ1がクリアできるのなら最後までクリアできる、自分はゲームに不慣れだったのもあるがステージ1がもっとも死んだし難しいと感じた)
(何だこの凄まじい緊張感は…!?)
本作を購入し、遊んだ初日はステージ1をクリアしたところでコントローラを置いてしまうほど疲労しました。
この感覚は、PS2の名作ホラーゲームであるSIRENを初めてプレイしたときに近いものがあります。
あまりに凶悪すぎる初見殺しのトラップ。
理解が及ばないサイコパスの殺人鬼たち。
虐待という言葉では済まされないほどひどい目に遭う子供たち。
徹底的にプレイヤーの心も蝕まれていきます。
すべてクリアしたときには、良質な鬱映画を一本見終えたような感覚でした。
本作はタイトルの示す通り、ダークで素晴らしい雰囲気を持った作品ですが、ゲームとしても良くできているんです。
まず、ステージが良くできています。
本作は全6ステージで構成されているのですが、どのステージも個性があってどれも楽しめるものでした。
ギミックも豊富過ぎるほど豊富で、人によってさまざまな攻略ルートを選ぶことができます。
凶悪な数々のトラップは、その設置場所が極めて絶妙です。
きっと製作者もニヤニヤしながら作ったでしょう。
しかも、メタ的なトラップまで仕掛けてくるんですよ。
ドラクエで言えば、宝箱を調べると実はモンスターだった的な…
そのアイデアは本当に素晴らしく、そしていやらしいです。
ゲームの難易度も適性です。
アイテム(物資)が豊富過ぎると緊張感を損なうし、あまりに足りなければ最悪詰んでしまう、そんなことがゲームでは起こります。
本作では緊張感を保ったまま、程よくアイテムが手に入るんです。
その塩梅もお見事です。
ゲームとしての完成度もちゃんと高いのです。
ところで、「子どもがひどい目に遭う作品は良作である」という言葉を聞いたことはないですか?
オタクの間では良く言われていたりします。
創作物は、倫理的な問題や規制によって、子どもがひどい目に遭う描写は避けられがちです。
ちゃんと「子どもがひどい目に遭う」作品は、その壁をブチ破っているので、そこら辺の作品とは一味違う可能性が高いわけです。
どちらも映画で恐縮ですが…
「ゴジラVSヘドラ」では小学生がヘドラによって溶かされてしまうシーンがあります。
「IT ”それ”が見えたら終わり。」では冒頭から少年の腕が食いちぎられてしまうシーンがあります。
個人的にどちらも素晴らしい作品だと思います。
勘違いして欲しくないのですが、「子どもがひどい目に遭う作品」が良作だと言いたいのではありません。
ボク個人としても、そういった描写を見るのが好きなわけではありません。
ただ、そういった作品は何かしらの光るものが多いという話です。
本作である「2DARK」も光る部分がてんこ盛りです。
ただし、鉛のような黒光りですが…
ネタバレを避けるために、あまり深くは言及しませんが、
(ここまでやっていいんだ…)と思わされるくらいには残酷な描写があります。
本作のゲーム画面は、PS2レベルのチープなポリゴンで構成されているので、そこまでリアルで生々しいものではありません。
テキストファイルに描かれたイラストだって、カートゥーン調でリアルなものではありません。
それが余計に想像力をかきたてられます。
自分の頭のなかにあるもの(想像)がもっとも怖いということを思い知らされますね。
よく発売禁止にならずに普通に発売されてるなぁ、と心から思います。
そして、普通に遊べたことをありがたく思いますね。
(ぶっちゃけインディーゲーだから目を付けられていないだけのような気がするけど…)
絶望と恐怖。
妻を殺され、愛する子どもをさらわれた主人公。
ある意味では、主人公の人生はこの時点で一つの終わりを迎えていたのだと思います。
怒りや復讐心、あるいは義憤や正義感だけで主人公は動いていたわけではないでしょう。
もう、自分の人生はそのために使うしかない、残された人生はそのように生きるしかない。
そうやって主人公は動いていたようにボクは感じました。
人生の途中で、人間としての道を外れることを強要されてしまったというか…
さぁ絶望の世界へようこそ。
知らない方が良い世界があなたを待っていますよ。