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【格ゲー考察Part.21】鉄拳レボリューションの思い出を語る

鉄拳タッグトーナメント2(以下タッグ2)が稼働中の頃、、

突如、PS3「鉄拳レボリューション」(以下鉄拳レボ)というタイトルが配信されました。

基本無料で遊ぶことが出来たタイトルです。

おそらく、鉄拳プレイヤーでも遊んだことが無い方が多いのではないでしょうか。

タッグ2をベースに、よりカジュアル化したような作品です。

 

大まかにゲームの特徴を3つ挙げるなら、、、

1.課金要素がある

2.キャラの成長要素がある

3.完全無敵技とクリティカル技がある

これらが特徴として挙げられます。

 

基本は無料で遊ぶことができる鉄拳レボですが、プレイ回数に制限があります。

好きなだけ対戦するには、課金して対戦チケットを購入する必要がありました。

また、キャラを開放するためにも課金しなければなりません。

 

プレイしたときのポイントを利用してキャラのステータスを強化することができます。

パワー(攻撃力)

タフネス(体力)

スピリット(クリティカル率上昇とレイジ状態になりやすくなる)

この中でもパワーを強化するのがとても強かったです。

パワーを強化すると、1回コンボを叩き込むだけで体力の6割くらいが吹き飛んだような記憶があります。

 

完全無敵技が全キャラに搭載されています。

カズヤは4WP、ドラグノフは立ち途中WP、キングは2WPなど。

打撃(下段含む)も投げも全て無効化して、一方的に切り返すことが出来ます。

ガード時のフレームは覚えていませんが、浮き確定だったので、マイナス15F以上はありました。

 

特定の技が一定の確立でクリティカルヒットします。

クリティカルヒットとは、特殊なエフェクトと共にダメージが上がる仕様のことです。

これも全キャラのいくつかの主要技に搭載されています。

カズヤの最風、ポールのポンケン、ブライアンのマッハパンチなど。


 

さて、この鉄拳レボを、ボクはタッグ2の片手間で遊んでいました。

たしか神段くらいまでは遊んだと思います。

タッグ2と比べてカジュアルなので、箸休めとしてちょうど良かったんですよね。

 

鉄拳シリーズで一番難しいタイトルを挙げるなら、ボクはタッグ2を挙げます。

1キャラを覚えて扱うだけでも難しいのに、タッグ2は2キャラ必要になります。

しかも、それをリアルタイムで切り替えながら戦うのです。

それだけで難しいですよね。

当時は、タッグ2を「廃人ゲー」という言い方をする人もいました。

 

対して、鉄拳レボはとても簡単でシンプルなゲームです。

コンボもシンプルで、バウンドなどはありません。

相手の猛攻に対して、どうして良いのか分からなければ、無敵技で切り返せます。

小難しいフレームやら、キャラ対策を覚える必要は薄いです。

キャラのステータスを上げれば、簡単に轢き殺すことができます。

たとえば、パワーのステータスを上げたキングは2回~3回投げを通しただけで勝てたりします。

 

「タッグ2を将棋」とするなら、「鉄拳レボはオセロ」と言い換えても良いくらいにカジュアルです。

 

さらに言えば、鉄拳ガチ勢はみんなタッグ2をやっていて、鉄拳レボはカジュアル層しかいなかった印象です。

失礼ですが、鉄拳レボをプレイしていて、強いと思えるプレイヤーを見かけることはありませんでした。

 

違うゲームなので当たり前ですが、タッグ2と鉄拳レボでは仕様が違います。

細かなフレームも異なっていて、鉄拳レボでは、フェンの6LKRKやボブの6N23RPがガードでマイナス14Fになっていました(本来はハイリスクな技がそうでは無くなっている)。

タッグ2をやり込んでいるプレイヤーからすれば混乱するでしょう。

変な癖が付いてしまうので、あえて鉄拳レボを遊ばないプレイヤーも居たのだと思います。

 

何より、キャラクターのステータスを上げられるシステムが、鉄拳ガチ勢(格ゲーガチ勢)と食い合わせが悪かったのです。

「同じキャラを使っても平等(フェア)ではない」

これはガチ勢からすれば、受け入れ難い仕様だったのではないでしょうか。

 

もう一つ言えば、クリティカル(一定確率で特定の技のダメージが上がる)という仕様も、運ゲーの要素を加速させています。

やはり実力意外の部分が勝敗を左右してしまうのは、ガチ勢には歓迎されません。

 

ただ、これはタッグ2こそ至高で、鉄拳レボはイマイチということを意味するのではありません。

ガチ勢とカジュアル層で、うまく住み分けが出来ていたことを意味します。

 

前述したように、タッグ2はあまりにゲームとして難し過ぎました。

その凄まじい作り込みと引き換えに、初心者はとてもついていけないようなゲームです。

稼働末期ですら、新しいネタが見つかるくらいに作り込まれたゲームでしたが、あまりに廃人ゲーでした。

 

そのなかで無料配信されたのが鉄拳レボです。

実際にプレイしてみて、上手くカジュアル層を取り込めていたと思います。

 

良い意味で、「言い訳の余地」が多いんですよ。

キャラのステータスで差が付く時点で、もう平等じゃないですよね。

クリティカルが発生するかどうかも運による上振れが大きいです。

 

つまり、鉄拳レボは格ゲーでありながら、実力以外の要素が大きい作品だったんです。

 

でも、当時プレイしていて、こうも思いました。

(いまウケるゲームって、こういうタイプのゲームなのかも…?!)

 

鉄拳レボの格ゲーらしからぬ仕様は、格ゲーの初心者お断りである部分を上手く希釈してくれていたとも言えます。

 

ボクは鉄拳ガチ勢でありながら、鉄拳レボに悪い印象はこれっぽっちもありません。

ガチ勢に受け入れられ難いのは十分に承知しながらも、素晴らしい意欲作だと思います。

 

たまにはこういう格ゲーがあっても良いよね。

たまにはこういう鉄拳があっても良いよね。

 

そう思わせてくれた作品が、鉄拳レボリューションでした。

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