鉄拳8のキャラについて語ります。
今回は「風間仁」、「ロウ」、「キング」、「リロイ」を取り上げます。
2025年1月12日の段階での感想です。
■風間仁
Mr.ハイスタンダード。
上段、中段、下段すべて揃っている。
コンボ火力、確反、二択も申し分ない。
風神ステップ(6N23)持ちのキャラだが、他の三島系との違いを挙げるのなら実践値だろう。
三島ほど尖ってはいないが、それだけに扱いやすく、どんな状況にも対応できて強さを引き出しやすい。
ライトゥー(9RK)を持っているのもかなり大きな差となる。
ローリスク、ミドルリターンに手堅く立ち回っても良し。
リスクを背負って崩しに行っても良し。
万能キャラ。
物議を醸している新技の災禍(2RP)だが、引っ掛けたときのリターンが大きすぎると思う。
発生を早くする代わりに、カウンターでうつ伏せダウン、一発追撃確定くらいのリターンで良いような気もする(ただ弱くするだけの調整は嫌い)。
■マーシャル・ロウ
新しく追加されたヌンチャク(WP)はシンプルながら存在感を放っていてとても良い。
追加されたものの弱すぎて使えない、みたいな調整よりはよほど良い。素晴らしい。
前作との大きな違いを挙げるのなら、チャージドラゴン(以下CD)の簡易化だろう。
コマンドが簡単になったことにより、誰でもCDを扱えるようになった。
ロウを使ってみたいけれどCDが…という方は今作こそロウを使ってみて欲しい。
かつてCDこそがロウのやり込み要素であり、腕の見せ所であったが、もう時代にそぐわないのだろう。
英断だと思う。
CD中に簡単にスライディング(CD中3LK)で出せるようになったのもグッド。
スライディングを当てたときに自身がダウンしなくなり、ヌンチャク(WP)で追い打ちができるのも良い。
今作は本当にスライディングが強い、ガードされても白ゲージが残るので回収のチャンスが与えられるのは大きい(リーは別)。
ずっとボタンを押していたい、早い展開で読み合いを押し付けたいという方はとくに向いているキャラ。
強い上に楽しくて良いと思う。
■キング
投げで荒らしたり、強引にパワクラで追い払ったり、やられる側は何かと不快な要素が多いが、使っている側はテクニカルでとても面白いキャラである。
個人的には、実にプロレスラーらしくて良いと思う。
ぶん投げ、相手の攻撃を受ける、これこそプロレスラー。
アップデートによって、風神ステップと同じコマンドでステステできるようになったもナイスな調整。
固定観念にとらわれず、無駄な難しさは切り捨てて、どんどん楽しめる方向に調整するべき。
しかし、相変わらず難しいキャラであるのは間違いない。
コマテクが必要なのはもちろん、まとまったダメージを奪うためにはキング側もリスクを背負って仕掛けなければならない。
手堅く立ち回るのならダメージ効率が悪く、その緩急がとても難しい。
テクニカルだがやり応え抜群のキャラ。
一つだけ、これは完全に自分の好みの問題だが、レイジアーツのモーションが嫌い。
猪木リスペクトなのかもしれないが、卍固めで体力がドバっと減るのが変。
■リロイ・スミス
ちょっと語るのが難しい。
リロイという単体で見るなら神キャラ。
鉄拳8という対戦格闘ゲームのキャラの一人として見るなら害悪キャラ。
とてもセコいキャラで、格闘ゲームの悪い部分を煮詰めたような性質を持っている。
使っている側は面白いけれど、相手をしている側からすればつまらない、というタイプの典型。
前作にて最大級の黒歴史を残したキャラでもあり、今作の調整を楽しみにしていた。
いざ蓋を開けてみると、本当に良く出来ていると思う。
とにかく構えを使わせたいという開発の意思が伝わってくるような調整だ。
構えに派生する技が大幅に増え、構えから読み合いを迫るのは個性が出ていて良い。
杖に下段派生(1RP+LK)を付けたのも、リロイだけに許された切り札的な要素でとても良い。
双龍門(4RP)にジャストが追加され、テクニカルなことをしたならリターンが大きくなるのも良い。
リロイ単体で見るなら本当に良く出来ていると思う。
ビジュアルもモーションも完璧だ。コンボの格好良さも群を抜いている。
ただし、リロイ単体で見ればだ。
鉄拳8という格闘ゲームとして見るなら、調整の方向がズレている。
リロイの強さは逆択にある。
微不利から技を仕込むのが強い。
各種捌き(当身)を備えた攻撃や、カウンターでまとまったダメージを取れる技が多い。
その代わりに自分から仕掛けるような技は少なく、切り込むのは苦手である。
ハッキリ言えば、アグレッシブと真逆の調整。
結果的に待ちが多くなる。
構えが作り込まれているのも分かる。
しかし、格闘ゲームが嫌厭される原因が詰まっているかのような性能だ。
あまりに分かりづらい。
打撃に捌き性能を持たせたり、一発止めや出し切り、何がどのような性能になっていて、どのような読み合いになっているのか分かりづら過ぎる。
完全に初心者殺しのような性能。
構えに派生することによってフレームがどのようになっているのか分かりづらいのも初心者には辛いところ(フレーム上の表記は-9Fなのだが、構えの硬直があるので実質は-13Fになっているなど)。
かと言って、対策を取られると途端に渋くなり、やることが無くなる。
連携を途中で止める、この行動が多くなりがちなのも気になる。
ジャンケンで言えば、あいこの状態が多くなりがちで試合が動かないのも寒い。
アップデートによって、双龍門が強化された。
このアップデートは素晴らしい。
受けが強いリロイの個性をさらに伸ばす、神アップデートである。
ただし、リロイ単体にとってはだ。
ディフェンシブな方向に強くしてどうする?
今作のコンセプトは何なんだ?
なぜヴィクターの上段パワクラ、吉光ブレード、華輪などが叩かれ弱体化されたのかまるで分かっていない。
逆択(受け)が強すぎると攻撃の手を止めざるを得ない(アグレッシブに反する)、それがつまらないから批判が集まったんじゃないのか。
新技である1LK(詳細は省くがガードされても読み合いが継続するたちの悪い下段)の性能も素晴らしい。
神技。ユニークだ。個性が光る。
ただし、リロイ単体にとってはだ。
↑これはさすがに駄目だ。
下段をガードされても保険が掛かっている、下段をガードしても逆択を受ける。
これは個性とかじゃない。さすがにルール違反だと思う。
最初に書いた、、
リロイという単体で見るなら神キャラ。
鉄拳8という対戦格闘ゲームのキャラの一人として見るなら害悪キャラ。
格闘ゲームの悪い部分を煮詰めたような性質を持っている。
この意味を代表するような技だと思う。
長くなったのでそろそろ終わる。
今作のリロイは好きじゃない。
強さの質があまりに悪すぎる。
ボッタクリやハメに特化した性質は好きじゃない。
個性という言い方をすればそれまでだが。
この方向で作り込むのは賛同できない。