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よく出来た和風ステルスホラーの1つだが…本番は二週目にある「ウツロマユ – Hollow Cocoon -」感想 レビュー

目次

1.「ウツロマユ – Hollow Cocoon -」ってどんなゲーム?

2.どんな人におススメ?

3.良かったところ

4.ちょっと気になったところ

5.今からプレイする方へアドバイス

6.珠音真珠の感想

※ゲームの楽しさを奪わない程度にネタバレします。完全に初見で遊びたい方はブラウザバックを推奨します。

 

1.「ウツロマユ – Hollow Cocoon -」ってどんなゲーム?

1980年代日本を舞台とした一人称視点(FPS視点)のステルスホラーゲームです。

化け物から身を隠しながら、アイテムを使用したり、パズルを解いて探索を進めます。

グラフィックがリアルかつ美麗で、凄まじい臨場感があります。

祖母の危篤の報によって実家へ帰った主人公は、その夜化け物と出会い、自身の呪われた家系の謎を解き明かして行きます。

ジャンプスケア(ドッキリ)やグロも有ります。

怖がりな方は少し厳しいかもしれません。

ゲームの難易度は自由に選べるし、詰まるような場面は無いので、誰でもクリア出来ると思います。

謎解きも難しくありません。

エンディング4つと、隠しゲームオーバー(特殊死亡演出)があります。

 

2.どんな人におススメ?

・和風ホラーが好きな方

・横溝正史のような作品が好きな方

・ステルスホラーが好きな方

・廃墟好き

・怖い作品をプレイしたい方

・サイレントヒルが好きな方

ニヤニヤできる演出がある。

 

3.良かったところ

・グラフィックが綺麗

・画面酔い(3D酔い)しないように配慮されている(オプションからカメラの揺れをオフに出来たりする)

・マップが用意されている

・ボーナスコンテンツが豊富

・難易度選択が出来るので誰でもプレイできる

・豊富なエンディング

・アイテムとそのデザインも時代的に考慮されたものとなっている

・コインゲームが面白い

 

4.ちょっと気になったところ

・クイックターンが無い

・視野角が狭い

・ストーリーや設定の解説をゲーム内テキストに任せきり

・押入れから出る時に、わざわざ後ろを振り返って押入れの戸を閉める

演出的にはリアルだが、ゲーム的には蛇足。

クイックターンが無いので、いちいちカメラを旋回させて前を向き直さなければならない。

 

5.今からプレイする方へアドバイス

・走り操作(ダッシュ)は、「切り替え式」ではなく「長押し式」にする

切り替え式にした場合、方向転換すると勝手にダッシュを止めてしまうので、長押し式の方が快適にプレイできます。

・画面酔いが心配なら、カメラの揺れをオフにして、画面中央に点を表示する

それでも気になるなら、カメラの感度(旋回速度)を自分に合うように調整するとなお良いです。

・ストーリーだけを楽しみたいなら難易度イージー推奨

難易度によるストーリーの変化はありません。

・敵はワープしている

飛び跳ねて姿を消してまた現れます。

今あっちに居たから、こっちは大丈夫だろうという考えで移動していると不意に遭遇します。

・一周目はエンディング分岐を気にする必要は無い

2週目からしか見られないエンディングがあるので、一周目は何も気にせず最後までプレイしましょう。

・コインゲームはぜひやっておくべし

やる意味がちゃんと有ります。

・ヘッドホンプレイ推奨

臨場感がアップします。

・ゲーム内で手に入るテキストはちゃんと読もう

攻略的にも読んでおく必要がありますし、読まないとストーリーや設定がさっぱり分からない作りになっています。

・隠れんぼやチェイスが鬱陶しくなったら…

バレた瞬間にチェックポイントからリスタートで快適に

 

6.珠音真珠の感想

率直に言えば、「どこを切り取っても良く出来ている」

それ意外の感想が出てこないゲームです。

ゲームそのもののクオリティは高く、本当に良く出来ていると思います。

ただ、意地悪な言い方をすれば、「どこを切り取ってもどこかで見たようなゲーム体験」を超えてくることはありませんでした。

 

本作は、2023年12月7日にSteamで発売しています。

そして、2023年12月10日に、この記事を公開しています。

発売日に購入し、夢中になってプレイして全エンディングを見ました。

ボクがどれだけ本作を楽しみにしていたのかは、体験版のレビューを読んでいただければ分かると思います。

 

 

まず、思っていたようなゲームでは無かったです。

↓のスクリーンショットを見てください。

このグラフィックにやられて、ボクは本作への期待度がバク上がりしたのです。

圧倒的な美しさ、圧倒的なセンスを感じさせます。

 

しかし、実際にプレイすると、「田舎の村を探索するゲーム」ではなく、「廃墟」を探索するゲームだったのです。

ずっと↓のような絵面が続きます。

ずっと屋内をグルグルと探索します。

屋外に出ることはほぼありません。

これは自分の勘違いもありますが、肩透かしを食らったのも事実です。

 

また、視野角が狭いです。

もっと広くした方が画面が見やすく快適にゲームがプレイできると思います。

それほど広くないマップなのにも関わらずやたらと迷うのは、その代わり映えしない絵面と視野角の狭さが原因でしょう。

 

ストーリー設定も、やっぱりどこかの小説や他のゲームで見たような既視感があります。

さらに、ゲーム内で手に入るテキスト説明任せすぎなのも気になります。

テキストを読んでいなければ、ゲームのストーリーも設定も理解できません。

「え?◯◯って誰?」

となるくらいには、意味不明です。

ちゃんとテキストは読みましょう。

 

謎解き、化け物との隠れんぼ、どこを切り取っても良く出来ています。

しかし、新しさや特徴といったものがほぼありません。

最初は怖かった化け物も、隠れんぼを続けるにつれて、怖くなくなり鬱陶しくなってくるのもご愛嬌。

つまらなくは無いですが、面白くも無いんです。

 

大きく加点する要素も無ければ、大きく減点する要素も無い。

優等生過ぎて特徴が無いゲーム。

 

と、思っていたのは一周目までです。

本作は二週目からが面白いんです。

 

クリア後のボーナスコンテンツが豊富です。

身も蓋もないことを言えば、バカゲーになります。

ただし、本気でふざけているんです。

圧倒的なクオリティでふざけ倒します。

 

ゲーム内の演出もちゃんと変わります。

神ゲー

一周目よりよっぽどワクワクしました。

 

とくに大好きなのが、「メリーさんの人形」です。

二週目から不気味なマネキンが追加されます。

特定の番号に電話を掛けると、「私メリーさん、いまあなたの…」とお決まりのセリフを言われます。

指定の場所を見に行くと↓

メリーさんの人形がいるんです。

これは全て、屋外の村中で行われます(電話が来るのは主人公の家だが…)。

神ゲー

やっぱり屋外で村を探索している方が100倍面白いです。

 

二週目の方が圧倒的にセンスがあります。

二週目の方が圧倒的に面白かったです。

最初からこういう方向で作った方が良かったんじゃないかと思うほどです。

ただ、一周目からこれをやられると、ただのバカゲーになるし、真面目な一周目との落差で面白さを感じられるので、難しいところです。

 

否定的なことを多く書いてしまいましたが、本作は間違いなく良作です。

二週目で見事な羽化をするウツロマユは、ボクの記憶に残り続けるでしょう。

制作者さんの遊び心と作品愛に溢れたゲームでした。

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