ゲームで生き残る

感情を揺さぶるとはこういうこと「Florence」感想 レビュー

 

1「フローレンス」ってどんなゲーム?

「フローレンス・ヨー」という女性の失意と再生を追体験するゲームです。

マウスを使用したポイント&クリックでストーリーを進行させます。

ストーリー重視の雰囲気ゲーにあたると思います。

プレイヤーは簡単なパズルを解くだけなので、ゲームに不慣れな方も問題なくプレイできる作品です。

 

2.どんな人におススメ?

・良質な雰囲気ゲーが遊びたい方

・感動したい方

・30代以降の方

・一風変わったゲームが遊びたい方

・サクッと遊べるゲームが遊びたい方

初見でも30分前後でクリアできると思います。

 

3.良かったところ

・雰囲気づくりが素晴らしい

・音楽が素晴らしい

・作品とマッチしていながら雰囲気を壊さないゲーム性

 

4.ちょっと気になったところ

・主人公が立ち直るのがやや早すぎる(あっさりし過ぎ)と感じてしまった

 

5.今からプレイする方へアドバイス

・一人っきりの環境でプレイすること

 

6.珠音真珠の感想

最初に告白します。

ボクはこのゲームをプレイしてガチ泣きしました。

 

本作は、「フローレンス・ヨー」という女性の人生を追体験するゲームです。

「幼少期~学生時代」、「社会人としての生活」、「恋人との甘い日々と別れ」それらをゲームを通して体験します。

 

本作には素晴らしい点がいくつもあるのですが、とくに良かったのが、ゲーム性が作品の雰囲気と極めてマッチしている点です。

プレイヤーはマウスを操作しながら、簡単なパズルを解いたり、ポイント&クリックしながらゲームを進めます。

 

そのなかでも、ボクがとくに鳥肌が立った演出を紹介します。

この場面では、プレイヤーは時計の針をクリックして、時計をグルグルと回します。

そうすると、ゲーム内での時間が進むという仕掛けです。

仕掛けが面白いのはもちろんですが、時間(年齢)が進むにつれて、寄り添っていた友だちが別々の方向へ目を向け、バラバラになっていく様子が描写されます。

そして最終的には主人公一人となってしまいます。

これはゲームの序盤です。

もうこの時点でボクは心が痛くなると同時に、ゲームに夢中になっていました。

 

ともかく、雰囲気づくりが抜群に上手いんです。

エモいです。切ないです。おじのボクは涙腺が死にます。

おそらく30代以降の人間がプレイしたなら(こんなこともあったなぁ)と自然と涙が頬を伝うことでしょう。

 

しかし、別に泣かせようとしているわけではないんです。

本作はドラマチックで衝撃的な展開なんてありません。

淡々と静的に物語が進みます。

 

これは、つまりあなたの物語でもあるということを意味します。

特別な物語なんかではありません。

誰にでも起こりうることです。

 

そんな特別じゃない平凡で誰にでも起こりうることで、これだけ感情を揺さぶられるのだから、本作は素晴らしいんです。

早い方であれば30分足らずでクリアできてしまうゲームですが、そこに凝縮されたプレイ体験は唯一無二です。

本当によく出来ています。

 

加えて言えば、音楽も素晴らしいです。

作品の雰囲気づくりに大きく寄与しています。

本作はSTEAMで購入すると数百円で買える上に、無料でサントラも付いてきます。

とても嬉しいポイントです。

 

決して特別ではない物語だからこそ、あなたの胸を打つ。

ストーリー、演出、雰囲気、音楽、ゲーム性、すべてが極めて高いレベルでマッチした素晴らしい作品です。

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