格闘ゲームで生き残る

【格ゲー考察Part.07】「難しさは罪なのか?」【モダンタイプ考察】

ストリートファイター6には「モダンタイプ」という操作方法があります。

複雑なコマンド入力を必要とせず、簡単に必殺技を出すことができます。

練習をせずとも必殺技が出せるので、初心者でも最初から対戦の舞台に立ちやすいというメリットがあります。

また、好きなタイミングで必殺技を出せるので、反応の良いプレイヤーには相性の良い操作方法です。

ただし、必殺技のダメージが20%減少する、使える技が減少する、というデメリットがあります。

 

モダンタイプは現在、圧倒的な高評価を得ているように見受けられます。

格ゲーが苦手な方でも、格ゲーの面白さを味わうことができる素晴らしいシステムです。

格ゲーを遊びたくても手が出しづらかった方には、最高のシステムでしょう。

 

格ゲーに新規が寄り付かない理由として、「操作難度の高さ」が一つとして挙げられます。

必殺技を出すために複雑なコマンド入力を求められるのは、初心者の心を挫く原因となります。

 

これはスポーツを例にすると、より理解しやすいと思います。

たとえば、サッカーをやってみたいと思った方は、、

「思い切りボールを蹴ってみたい」

「試合をしてみたい」

「鮮やかなゴールを決めてみたい」

このような思いを抱いて参入するはずです。

「走り込み」「ルールや戦術の勉強」などのトレーニング(練習)を求めて参入するはずがありません。

 

格ゲーも同じで、「スーパープレイがしてみたい」「対戦に勝ってみたい」、このような理由で興味を持つはずです。

「トレーニングモード」(プラクティス)や、「フレームの勉強」をしたいのではないのです。

 

なるべく練習の過程をすっ飛ばして、対戦の舞台に立てる(初心者でも格ゲーを楽しめる)モダンタイプは格ゲー史における革命です。

われわれは格ゲー史における転換期を迎えていると言っても過言ではないのです。

 

ボク個人としても、モダンタイプの搭載は諸手を挙げて賛成です。

これまでも簡単操作を用意した格ゲーはいくつかありましたが、【対戦】として成立するように調整されているのは、今回が初めてのことではないでしょうか。


 

ここからは格ゲー歴が無駄に長い格ゲーおじさん(老害)の独り言です。


 

ボクはモダンタイプの搭載には大賛成ですが、それでも本音としては「クラシックタイプ」でプレイして欲しいと思っています。

※クラシックタイプとは、これまでのように必殺技に複雑なコマンド入力が求められる操作モードのことです。

 

ボクは「難しさ」というものは、一つの面白さであり魅力であると考えています。

ゲームでもスポーツでも、スーパープレイというのは難しいからこそ人々を惹きつけます。

難しいからこそ、それを出来る人間が称賛され、さらにそれを目指す人間が現れるのです。

 

「誰でも簡単にできる」、それは間違いなく良いことですが、大きく魅力を損なう原因にもなりかねません。

たとえば、瞬獄殺がワンコマンドで出せたら?

たとえば、最速風神拳がワンコマンドで出せたら?

ボクはきっと格ゲーに対する熱が少し冷めてしまいます。

※ゲームバランスの兼ね合いから、そんな調整はしないと思うので、あくまでたとえです。

 

難しいことをするというのが、一つの面白さでもあるのです。

簡単に出来てしまうというのは、ゲームの寿命にも少なからず影響すると思います。

簡単にクリア出来るゲームは、すぐに飽きてしまいますから。

 

もう一度言いますが、ボクはモダンタイプには大賛成です。

その難易度によって、初心者の方が楽しめないのであれば、難易度を下げるべきです。

ただし、「難しさ」というものに罪は無いということも強く言いたいです。

「出来なかったことが練習することによって出来るようになる」、それも間違いなく格ゲーの魅力なのですから。

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