鉄拳8が発売して半月ほど経ちました。
あまりこんなことは言いたくありませんが、、
「やっぱ鉄拳つまんねぇわ、クソゲー」なんて言いながら、プレイを止めてしまった方もいると思います。
ちょっとだけ裏話をすると、、
「鉄拳8 面白くない」
「鉄拳8 つまらない」
このような検索ワードから当サイトを訪れてくれる方も多いんです。
それも百人単位でいます。
ボクは鉄拳3からシリーズをプレイしている、筋金入りの鉄拳信者です。
20年以上プレイし続けています。
もちろん鉄拳8も現在進行系でプレイしています。
そして、「本当に好きなものだからこそ、盲目的に崇拝するのはやめて本音で語るべきである」という信念を持っています。
鉄拳で心が折れてしまったあなたへ、せめて最後にこれだけは読んで欲しくてこの記事を書いています。
鉄拳が嫌になってしまった、初心者さんや新規さんはぜひ最後までお付き合いください。
まず、、
「鉄拳8がつまらない」と思うあなたは【正常】です。
あなたは何一つ悪くありません。
そもそも鉄拳というゲームは難し過ぎます。
初心者さんの心が折れるのは無理もないことです。
対戦が成立するまでに覚えなければならないことが多すぎるんです。
技が多すぎます。
一人のキャラに対して技が100以上あるのがザラです。
数あるキャラの中から、自分の使いたいキャラを選びます。
「麗奈」というキャラが可愛いので使うことにしました。
プラクティス(練習モード)で技を確認します。
(いや、技多すぎでしょ…?!どうすんのこれ?)
きっと、鉄拳有識者たちはこう言うでしょう。
「いやいや、全部の技を覚える必要はないよ、実際に使う技は20個くらいだよ」
まったくもって正しいです。おっしゃる通りです。
しかし、初心者さんが使う技を厳選するなんて無理です。
「宇宙からやってきた謎の食材を100種類も並べられて、料理を作れ」と言われているのと同じです。
どうして良いのか分かりません。
どの技が強いのか?
どの技がどんな役割を持っていて、どんな使い方をするのか?
それが分かれば、もう初心者じゃないのです。
キャラは現在で32名います。
全員が100前後の技を持っています。
初心者さんからすれば目が回ります。
コマンドだって複雑で難しいです。
【→☆↓\→】でステップが出ます。(いわゆる昇竜コマンド)
ステップ中に攻撃ボタンを押すと技が出ます。
鉄拳プレイヤーは何も思わないかもしれませんが、、
(昇竜コマンドでステップを踏むってどういうこっちゃ…)と感じる方も多いはずです。
他の格ゲーと比較しても、かなり難しいことをやっています。
複雑で似たようなコマンドの技も多く揃っています。
(あぁ~なるほど、こういう技があるのね)なんて思えるのは鉄拳プレイヤーだけです。
(なんて複雑なんだ…とてもついて行けん…)と思う人が大半でしょう。
それが初心者さんならなおさらです。
コマンドが複雑で難しい。
技を出すのも一苦労するのが鉄拳です。
初心者さんへ向けて、今作から搭載された「スペシャルスタイル」というものがあります。
ワンボタンで技が出たり、コンボを自動で繋いでくれるシステムです。
ポチポチとボタンを押しているだけで、それっぽく攻撃してくれます。
これ、凄くやりたいことは分かるんです。
でも、たぶん初心者さんが求めているのは、そういうことじゃない。
ワンボタンで技が出る、コンボも自動で繋いでくれる。
そう聞くと、スト6のモダン操作を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、鉄拳のスペシャルスタイルは似て非なるものです。
※ゲームの優劣を競う意図はありません。ボクはストリートファイターと鉄拳、どちらもプレイしていますし、どちらも大好きな作品です。
スペシャルスタイルは、出せる技が少なすぎて、戦術の幅が広がりません。
戦術の幅が広がらなければ、読み合いも展開できません。
本当に最低限の技しか使えないんです。
つまり、あまりに用途が限定的過ぎるんです。
鉄拳に初めて触れた人くらいしか使い道がありません。
実戦(対人戦)ではとても使えたものじゃありません。
対して、モダン操作は実戦でも使えます。
むしろ強いです。
幅広い戦術と読み合いを堪能できます。
プロゲーマーでも研究対象とし、大会でも使用するモダン操作。
実戦では使い物にならない、初心者しか使えないスペシャルスタイル。
この差は大きいと思います。
プロですら大会で使用するなら、それを見ている初心者さんもゲームをやってみようと思うはずです。
何より、初心者さんにとってゲームに対する可能性を感じることが出来るじゃないですか。
自分にもチャンスがあると、自分も戦いの舞台に立って活躍する可能性があると。
何より、スペシャルスタイルは格ゲーをやってる感が無いのが致命的だと思います。
あまりに使い道が限定的過ぎて拡張性がありません。
格ゲーの面白さを味わえるとはとても思えません。
ハンドル操作もギア操作もない、アクセル操作だけの車を真っ直ぐ走らせて、、
「ほら、運転って面白いでしょ?」と言っているようなものです。
モダン操作では、
複雑なギア操作は必要ないが、自分の意思でハンドルを切ることも出来るし、自分の行きたい方向へ進むことができます。
つまり、面白さを味わえるように上手く誘導してあります。
もちろん鉄拳とストリートファイターでは、システムもゲーム性も全然違います。
スペシャルスタイルとモダン操作では、その担っている役割も違うのかもしれません。
しかし、初心者さんや新規さんに対して上手く作ってあるのは、明らかにモダン操作です。
スペシャルスタイルは、初心者さんや新規さんへ向けて、あまり上手く機能していないと思います。
ここで、ちょっとだけ昔話をさせてください。
ボクは鉄拳3から鉄拳を始めました。
当時は小学生です。
クマやらロボットやらが出てくる変な格闘ゲームということで、クラスで流行ったんです。
「風間仁」(かざまじん)というキャラを「ジミーカラマン」と呼んでいる子がいました。
キャラセレクト時の「ジンカザマァ」という音声を「ジミーカラマン」と聞き間違えたのです。
当時は小学生ですからみんなガチャプレイで遊んでいました。
当たり前ですが、フレームやらコンボやら誰も知りません。
みんなで大笑いしながら楽しんでいました。
ただ、そのなかで自分が偶然にも一番強かったんです。
そこからドハマリして、ずっと鉄拳をプレイしています。
高校生になると鉄拳5が登場し大流行しました。
この頃に、初めてフレームやコンボを覚えました。
分厚い攻略本を購入して、必死に読み込んだのを覚えています。
そして、高校時代も身内限定で自分が一番強かったです。
才能があるとかではありません。
真面目にやり込んでいたので、他の人よりも攻略が進んでいただけです。
ある程度フレームを知っている、コンボもちゃんと完走できる、それだけで勝てたのです。
それから時が経ち、色んな人と対戦して、色んな大会にも出ました。
余談ですが、ボクがこれまで対戦してもっとも強いと感じたプレイヤーは、現在もプロゲーマーとして活躍するAO選手です。
彼は「負けないための戦い方」が凄く上手いんですよね。
決して博打をせず、成功率70%くらいの手堅い行動を積み重ねて勝つようなイメージです。
なぜ、こんな昔話をしたのかと言うと、、
昔は、鉄拳シーンのレベルが全体的に低く、参入障壁も低かったということを伝えたいんです。
難しい技を出せるだけで上級者。
ちょっとフレームを知っているだけで鉄拳博士。
難しいコンボが出来るだけで鉄拳王。
(最風が出せたり、ステステ出来るだけで持て囃された)
みんなのレベルが低かったので、必然的に初心者も入りやすかったんです。
だって、自分と同じ強さの人たちがいっぱいいますから。
話を鉄拳8に戻すと、いまのレベルは異常です。
みんな強すぎます。
そりゃ初心者さんは嫌になりますよ。
鉄拳は、これまで大きな変化が無かったシリーズなんですよね。
鉄拳8も同様で、新しいシステムや仕様の変更はあれど、経験者はすぐに馴染んでしまいます。
結局、これまでと同じ杵柄で戦うことが出来ちゃうんです。
身も蓋もないことを言えば、経験者があまりに有利過ぎるんですね。
現代では攻略の早さも尋常ではありません。
すぐに攻略情報が出回ります。
それに伴い、求められる技術だって引き上げられています。
攻略情報についていけない者が、自然と不利になります。
(何だよそのネタ?!そんなの知らないよ!)と言っていたら置いていかれます。
長くなったので、そろそろまとめると、、
・鉄拳というゲームがそもそも難しすぎる
・初心者が上手くなるための導線が上手く引かれていない
・シーンのレベルが上がりすぎて、より初心者が参入しづらい
これらが鉄拳8の問題点として挙げられると思います。
(本当はもっと書きたいことがあるけど、話がまとまらなくなるのでこの辺で)
もう一度だけ言わせてください。
鉄拳8がつまらないと思うあなたは【正常】です。
あなたは何一つ悪くありません。
もし、自分が鉄拳の未経験者で、鉄拳8に参入したなら高確率で脱落していたと思います。
(全然勝てねぇしどうして良いのか分からねぇ、もうやってられん)となっていたでしょう。
20年以上やっている人間ですら鉄拳を難しいと思うのですから、初心者さんにそびえる壁たるや想像を絶するものがあると思います。
嫌になって当然ですよ。
そりゃあつまらないに決まってます。
ただ、鉄拳8も初心者さんに寄り添う姿勢は見られるんです。
(出来はともかく)スペシャルスタイルという初心者さん向けの操作方法を導入している。
アーケードクエストというゲームに慣れてもらうための一人プレイ用モードがある。
ストーリーモードに気合が入っている。
試合のリプレイを見れば、何の技で反撃するべきなのか?などを教えてくれる。
技数は多いものの、コマンドリストでは主要技だけ厳選して教えてくれる。
難しいコマンドには、簡易コマンドを実装している。
などなど。
これらは鉄拳8を擁護しようとして書いているわけではありません。
事実として、鉄拳8は一人用のモード(対人戦に行く前にゲームに慣れてもらう)が充実しているし、あくまでこれまでの作品と比較してですが、初心者さんに対して優しく作られています。
初心者さんに寄り添う姿勢は見られます。
(悪いところだけピックして語るのはフェアでは無いので、良い部分もちゃんと挙げねばなりません)
どこまで行っても自分は鉄拳のファンボーイです。
20年以上続けるだけの魅力が鉄拳というゲームにはあるんです。
そもそも、何の魅力も無いゲームが8まで続くはずがありません。
あなたにも鉄拳を楽しんで欲しいと思っています。
無理に引き止めることは出来ないし、その権利も無いけれど、たまに当サイトを覗きに来てみてください。
相変わらず、鉄拳について長文を書き散らしているおじが居るでしょう。
(鉄拳は嫌いだけど、鉄拳は人を狂わせる何かがあるんだな…)くらいに笑いながら見てください。
攻撃的なタイトルで記事を書いてしまったことを謝罪します。
せっかく新作が盛り上がっているところに水を差してしまったかもしれません。
不快な思いをされた方もいるかと思います。
しかし、鉄拳8を貶める意図は一切ありません。
鉄拳8は控えめに言って神ゲーです。
ボクは、一人の格ゲーおじとして、なるべく初心者さんの側に立ちたいと思います。
なぜなら、鉄拳8が盛り上がって欲しいからです。
これからは、攻略記事もそうですが、初心者講座のような記事も増やします。
少しでも鉄拳8を楽しめる方が増えてくれれば幸いです。
初心者さん、新規さん、格ゲーおじ、トッププレイヤーも、みんなで鉄拳8を盛り上げて行きましょう!
長文を最後まで読んでくれてありがとうございました!
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