ゲームで生き残る

褒めるところしか見当たらない名作「魔女の家MV」感想 レビュー

 

1.「魔女の家MV」ってどんなゲーム?

ツクール製のホラーアドベンチャーゲームです。

戦闘やアクション要素はありません。

屋敷に用意された様々な仕掛けを解いてゲームを進めます。

初見殺しによるトラップが非常に多いゲームです。

トラップに引っ掛かると即死します。

「凶悪な殺人トラップが無数に仕掛けられた魔女の家に閉じ込められてしまった少女が脱出を計る」というストーリーです。

ちなみにMVというのは開発ツールの名称です。

 

2.どんな人におススメ?

・考察が好きな方

・謎解きが好きな方

・演出に興味のある方

・ホラーが好きな方

・ストーリーや設定を考えるのが好きな方

・サクッと終わるゲームがプレイしたい方

ボクは初見で2時間くらいでクリアしました。

 

3.良かったところ

・ゲーム部分が快適

移動が早く、オプションで常時ダッシュ状態に設定できます。

斜め移動もできます。

・謎解きが面白い

どれも良くできています。

ちゃんとヒントが散りばめられているので、プレイヤーにフェアなんですよね。

(そんなの分かるわけないだろ)というような仕掛けは1つもありませんでした。

・数々の即死トラップの演出

(よくこんなに思い付いたな)と思います。

不謹慎な言い方ですが、死に様を見るのが楽しかったです。

・ストーリーや設定が練り込まれている

ゲームという媒体を逆手にとった素晴らしいストーリーと設定です。

メタ的な要素にもちゃんと説明が付くように作られているんですよね。

たとえば、「主人公を襲う殺人屋敷のはずなのに、なぜ仕掛けを解くヒントが用意されているのか?」など。

 

4.ちょっと気になったところ

・フリーズ

ボクはクリアまでに3回フリーズを経験しました。

・ゲーム単体では明かされない謎が残る

ストーリーが中途半端に終わるわけではありませんが、少しだけ細かい謎が残ります。

本作の小説版である「魔女の家 エレンの日記」を読めば本作の謎が全て明かされます。

ボクは小説版も読みました。

誤解のないように書きますが、ゲーム単体でも十分に面白い作品です。

ゲームと小説の両方が無ければ作品を楽しめないということではありません。

 

5.今からプレイする方へアドバイス

・設定で常時ダッシュにしよう

タイトル画面の設定から常時ダッシュにしましょう。

移動が速く快適になります。

常時ダッシュによるデメリットはありません。

・ゲームを快適に楽しみたいのならイージーモード推奨

イージーとノーマルの2種類の難易度(クリア後にはもう1つ増えます)が用意されていますが、快適にゲームを楽しみたいならイージーがおススメです。

イージー以外の難易度を選択した場合、死ぬと逐一タイトル画面に戻されるので煩わしいと思います。

このゲームは非常に初見殺しが多いので、少なくとも初見はイージーでプレイするのが良いです。

 

6.珠音真珠の感想

結論から「ストーリーとゲーム性が両立された完璧なホラーゲーム」です。

 

本作はもともとフリーゲームとして配信されたタイトルです。

ボクはフリーゲーム版はプレイしたことがありませんが、本作の評判の良さは聞いていました。

今回初めてプレイしましたが、たしかに名作です。

これは評価されるべき作品です。

 

まず、ゲーム部分が非常に良く出来ていることを主張したいです。

移動が速く、この手のゲームでは珍しく斜め移動もできます。

プレイヤーに合わせた難易度が用意されていて、どんなプレイヤーでも楽しめます。

クリア後のエクストラ難易度では、謎解きも一新されるという作り込みです。

サクっとストーリーや世界観だけを楽しみたい方、ゲームをやり込みたい方も満足できます。

豊富な謎解きも、プレイヤーに対してフェアに作られています。

ちゃんとヒントが用意されていますし、謎解きの質も高いです。

ゲームをやっていてイライラすることが一度もありませんでした。

 

本作は初見殺しが非常に多いゲームです。

ボクは最初のトラップで度肝を抜かれました。

可憐な少女が壁に挟まれてペチャンコにされます。

驚くべきは、その演出です。

潰れた少女の身体から、ネットリと糸を引くように血が出ます。

その演出の作り込みとインパクトには目が点になりました。

誤解しないで欲しいのですが、ボクはそういった性癖を持っているわけではありません。

「DEAD SPACE」というホラーゲームがそうであるように、死亡時の演出が作り込まれている作品はプレイヤーを楽しませてくれるのです。

しかも、良くみれば床には血痕が残されていますし、プレイヤーにヒントを与えているんですね。

この演出によって一気にこのゲームに胸ぐらをつかまれました。

死亡時の演出が素晴らしすぎるおかげで、初見殺しで何度死んでも、まったくストレスが無いんですよ。

これは本当に良く出来ています。

 

ストーリーと設定もよく練り込まれています。

ストーリーは決して小難しいものではありません。

誰でも理解できますし、誰でも楽しむことができます。

「考察の要素がある」という言葉を盾に、ただの説明不足で意味不明な作品が氾濫していますが、本作は極めて分かりやすく作られているところも好感が持てます。

また、ゲーム的なメタ要素も説明が付くように作られています。

「なぜ幼気な少女は殺人屋敷を平気な顔をして探索できるのか」など、ゲーム的な突っ込みどころまで作品の設定として落とし込んでいるんですよね。

よくここまで練り込んだと思います。

 

本作は完璧だと思います。

ストーリー、設定、ゲーム性、すべてが完璧に調和されています。

まさに名作です。

ここまで良くできている作品は滅多に出会えません。

褒めるところしか見当たりません。

ぜひプレイしてみましょう。

 

そして、本作が気に入ったなら、小説版「魔女の家 エレンの日記」も読んでみることをおススメします。

本作の世界観が補足され、細かな謎もすべて明かされます。

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