映画で生き残る

映画「家族を想うとき」はすべての労働者がみなければならない作品である

映画「家族を想うとき」はすべての労働者にとって他人事ではない映画です。

あらすじ

貧しい一家の父である主人公が、宅配ドライバーとして、フランチャイズ契約を結び独立する。

家族のために必死で働く主人公だったが、あまりの労働環境の劣悪さに疲弊し、さらに大切な家族までもバラバラになっていく。

労働問題をとりあげた作品です。

日本でも、ブラック企業や、労働者軽視による問題が騒がれるなかで、この映画は他人事として割り切れません。

 

本作からボクらが考えるべき3つのことを紹介します。

1.巧みな言葉によって奴隷契約が結ばれる

2.奴隷労働は自身だけではなく家族をも破滅させる

3.利便性、過剰なサービスの裏返し

 

主人公は映画の冒頭で「これからは雇われの身ではなくあなたがボスだ」というような言葉を受け、宅配ドライバーとしての労働契約を結びます。

独立、個人事業主、さまざまな呼び方がありますが、どれも雇われの身であるものにとって、甘美な響きを持つ言葉です。

しかし、その実奴隷契約であることがほとんどです。

気軽に足を踏み入れるべきではなく、労働環境、契約内容をしっかり吟味するべきです。

 

余談ですが、ボクも実体験として、雇用契約書に「残業代を支給しない」ということが明記されていたことがあります。

すぐに会社側に問いただし、その会社とは距離を置きました。

契約書類はしっかりと目を通すべきです。

 

雇われの身から抜け出すと、いざとなったときの、いままで会社が守ってくれていたサポートをすべて失います。

日本でもコンビニのフランチャイズ問題がよく話題になっていますね。

 

主人公は、宅配ドライバーとして車が必要になり、家族で使う車を売り飛ばして、新たな宅配用の車を手に入れます。

しかし、その売り飛ばしてしまった車は、妻が仕事で使っている車でもあり、妻は仕事で車を使うことができなくなってしまいました。

夫の仕事のためと、最初は我慢する妻でしたが、後に怒りが爆発する場面があります。

主人公は仕事のために家族を犠牲にしてしまっているんですね。

 

激務のために常にイライラし、家族との時間もとれないことによって、家族の仲は険悪なものになっていきます。

仕事のことで頭がいっぱいになってしまった主人公は、家族のことを顧みなくなってしまうのです。

息子は非行が目立つようになり、主人公との喧嘩が絶えません。

日本でも、仕事を言い訳に何でもまかり通るような風潮がある気がしてなりません。

しかし、仕事を言い訳に家族を犠牲にするのは絶対に間違っています。

何より自分自身のためにも、労働に対する姿勢を考え直すべきです。

 

ネットの普及や技術の進歩により、サービスは日々便利な方へ進化しています。

宅配サービスも、翌日には荷物が届きますし、たとえ商品に異常がなくても、ダンボール箱が潰れていただけで謝罪や返品などのクレーム対応をします。

個人的には異常だと思っています。

ボクも現代の利便性を享受している身なので、あまり強く言えませんが、過剰なサービスの裏側には、本作の主人公のように激務に迫られている労働者の現実があるんです。

世の中が便利になるのは素晴らしいことですが、その裏側で働く労働者のことを考えると、複雑な気持ちになります。

もちろん、その裏側で働く労働者というのは、我々も含まれていることを忘れてはいけません。

 

映画「家族を想うとき」は労働者すべてがみるべき映画です。

労働に苦しむすべての人がみなければならない、他人事ではすませられない映画なんです。

RELATED POST