※ボク個人の主観とボクの所属していたコミュニティによる偏見が多分に含まれます。
鉄拳7の豪鬼の思い出を語ります。
鉄拳7の豪鬼と言えば、黒歴史として有名ですよね。
あまりに強すぎて最終的には100箇所くらい調整されました。
それでも強いのですから、いかにヤバいキャラだったのか推して知るべしです。
この豪鬼ですが、鉄拳7FRというバージョンで追加されたキャラです。
鉄拳シリーズは伝統的に、ナンバリングタイトルを出した後に、バージョンアップしてタイトルを変更します。
鉄拳5→鉄拳5DR
鉄拳6→鉄拳6BR
鉄拳7→鉄拳7FR
このような具合です。
鉄拳7のバージョンアップ版に登場したのが豪鬼なのです。
鉄拳に豪鬼が参戦する。
当時の鉄拳勢(あくまでボクの周り)の反応は、困惑という言葉がピッタリです。
えぇ?豪鬼が出るの??
このような反応を示すプレイヤーが多かったように思います。
露骨に嫌悪感を示す人もいました。
少なくとも、歓迎するような声はほぼ聞きませんでしたね。
余談ですが、鉄拳プレイヤーは鉄拳しかプレイしない人が多いのです。
他のタイトルに興味を示すプレイヤーは少ないように思えます。
ストリートファイターのキャラが参戦しても、盛り上がるようなことは無かったのです。
そして、いざ豪鬼が追加されると…
みんな豪鬼を嫌ってましたね。
鉄拳というゲームのなかでは、あまりにルール違反が多かったのです。
1.弾を撃てる(飛び道具の概念がある)
2.ゲージの概念がある
3.飛びの概念がある(ジャンプから崩せる)
これらが分かりやすいルール違反でしょうか。
※2RK(いわゆる大足)が17F、しゃがステ付き、ダウンを奪って追撃確定など、当時の鉄拳シーンではありえないような技性能だったなど、語りたいことが山程あるけどキリが無い…
実は、豪鬼がぶっ壊れキャラであることは、豪鬼が追加された当初からプレイヤー間では周知されていました。
しかし、当時はそこまで大々的に騒がれていませんでした。
その理由としては、鉄拳シーンでは豪鬼が腫れ物扱いだったからです。
対戦拒否も日常茶飯事(ちなみにこれは鉄拳7末期まで続いていたりする、つまり豪鬼は最初から最後までずっと鉄拳7で嫌われていた)、それも相まって真面目に攻略するプレイヤーも少なかったです。
上記したルール違反な性能も含めて、鉄拳プレイヤーの間では豪鬼は嫌われすぎて相手にされなかったのです。
また、豪鬼は扱いが難しいキャラでした。
操作難度が高く、使いこなすのが難しいのです。
この操作難度についても、少し説明が必要です。
豪鬼の難しさは、鉄拳の難しさとは違って2D格闘ゲームの難しさなのです。
いわゆる三島系、ニーナ、リーのような鉄拳の難しさとは違います。
これが何を意味するのかと言うと、豪鬼のテクニックは豪鬼でしか通用しないものが多いのです。
豪鬼で培ったテクニックは豪鬼以外のキャラでは使えず、潰しが効きません。
鉄拳が好きなプレイヤーからすれば、わざわざ2D格ゲーのテクニックを磨こうなんて思わないでしょう。
このような豪鬼の性質も「豪鬼で強い」=「鉄拳が強いわけではない」というような悪いイメージを定着させてしまったように思えます。
豪鬼で強くてもそれを認めないプレイヤーは多かったです。
ボクは鉄拳7ではいくつかの大会に出場しましたが、豪鬼は驚くほど少なかったです。
大規模な大会でも、スティーブ、ドラグノフ、一美など、当時の強キャラ連中がしのぎを削っていました。
豪鬼が公の場で活躍することは無かったのです。
また少し余談ですが、当時のボクは鉄拳7から参戦したジョシーにハマっていました。
「ジョシ会」と称したジョシー使いのおっさん達を集めて、ジョシーのネタやボッタクリ連携を開発していたのは良い思い出です(追加当初の立ち途中LKが確反なしでノーマルヒットコンボ始動だったのは本当に良い思い出)。
やはり、鉄拳コミュニティの間では、豪鬼なんて特別に注目を浴びていなかったのです。
みんな鉄拳を楽しんでいました。
本格的に豪鬼のヤバさが知れ渡ったのは、パキスタンショックからでしょう。
※↑これは鉄拳の大会のグランドファイナルです(私にはとても信じられません)。
豪鬼は操作難度が高いと書きました。
豪鬼が強いことは知れ渡っていたのですが、真面目に攻略するプレイヤーも少なかったし、理論値的には強いけれど、完璧に使いこなすなんて無理だよね…という空気がありました。
それが、ほぼ理論値通りに使いこなすプレイヤーがシーンに現れたのです(アワイスハニー選手とアティフバッド選手)。
文字通り、当時は誰も彼らに勝てませんでした。
もう無理だろ…
誰がこの豪鬼に勝てるんだ…?
ひどい空気でした。
少し想像して欲しいのですが、スト6に平八が参戦したとします。
ストリートファイターリーグの決勝戦が平八VS平八だったら、プレイヤーも観戦者もどう思うでしょうか?
これと同じようなことが鉄拳の競技シーンで起こっていたのです。
さらに余談ですが、パキスタン豪鬼が猛威を振るっていたとき、パキスタン国内でも「豪鬼をナーフしろ」という声が溢れていました。
彼らの鉄拳に対する姿勢には驚くばかりです。
自国のプレイヤーの活躍よりも、鉄拳のキャラバランスに声を上げていたのです。
いよいよ、大々的に、豪鬼はクソキャラという扱いを受けるようになりました。
最初から嫌われキャラだったのにも関わらず、さらに嫌われるようになりました。
ただ、この頃から本格的に豪鬼対策に乗り出すプレイヤーも増えました。
豪鬼と戦えるようにならなければ、(当時の)鉄拳シーンでは生き残れない。
実際に、鉄拳の強豪国と言える、日本と韓国ではあまりに豪鬼対策が出来ていなかったのです。
良くも悪くも、豪鬼によって鉄拳シーンのレベルが大きく引き上げられたと思います(もちろん豪鬼だけではなくパキスタン旋風そのものが大きな衝撃を与えた)。
それから、度重なるアップデートによって豪鬼は弱体化されました。
弱体化されたとは言え、最終バージョンでも最強格でした。
しかし、豪鬼への対策が進んだこともあり、鉄拳7末期ではそこまで豪鬼は活躍していません。
ちなみに、ボクも鉄拳7の豪鬼は大嫌いです。
ボクが豪鬼(含むコラボキャラ)について思っていることを書いた記事↓
ただ、ストリートファイターの豪鬼は大好きです。
スト4~スト6まで豪鬼を使い続けています。
格好良いですからね。
鉄拳における豪鬼は黒歴史だと思います。
しかし、凄いことをしましたよね。
2Dキャラを3D格闘ゲームに落とし込むだけでも凄いことです。
しかも、他社のキャラを引っ張り出して参戦させる。
とんでもないことをやっていますよね。
黒歴史も含めて、鉄拳7は格ゲー史に残る作品なのは間違いありません。
振り返れば、鉄拳7には様々な思い出があるので、また気が向けば記事を書きます。
他の黒歴史を作ったキャラ↓