格闘ゲームは、RPGのようにプレイヤーの努力によってキャラクターが強くなるわけではありません。
あくまで強くなるのはプレイヤーであり、キャラクターはずっと同じ性能のままです(アップデートによって調整はされますが)。
格闘ゲームにおいて、キャラのスペックほど重要なものはありません。
キャラのスペックは最初から決まっていて、どうやっても覆せないからです。
キャラクターの強さが変わらないのなら、なぜ一番強いキャラを選ばないのでしょうか?
なぜプロゲーマーでも使用キャラが分かれるのでしょうか?
結論から、ボクは3つの理由があると考えています。
1.努力を継続できない
2.プレイスタイルに合っていない
3.技術を他キャラに流用できない
ここから詳しく解説します。
1.努力を継続できない
簡単に言えば、「使っていて面白くない」からプレイのモチベを保てないということです。
一番強いキャラが、一番面白いキャラとは限りません。
また、「キャラ愛」も大きくモチベーションに影響します。
見た目が格好いい、見た目が可愛い。
キャラ設定が好みである。
プレイヤーにとっては大きい要素です。
さらにメタ的な視点で切り込むと、最強キャラは嫌われる傾向があって、対戦拒否を受けやすかったりします。
プレイヤーの実力を素直に認められづらいところもあります。
「強キャラを使っているんだから勝てて当然だよね」と。
あまり「気持ちの良い」プレイ環境ではないですよね。
「ネタキャラ」であったり、明らかな「弱キャラ」を好んで使う人がいますが、それは「気持ち良くなれる要素が多い」というのもキャラをピックする一因です。
競争相手が少ないので自分が目立つことができる。
結果を残せば評価されやすい(まさかあのキャラで優勝するとは…!)。
対策不足に付け込んで勝ちやすい。
などなど。
人間ですから、プレイするモチベーションが保てなければ努力を継続するのは難しいです。
強さよりも、努力を継続できるキャラを優先して選んでいるのです。
2.プレイスタイルに合っていない
人によってプレイスタイルはさまざまです。
攻めっ気が強い人、ガン待ちしたい人。
近距離が好きな人、遠距離が好きな人。
投げたい人、弾を撃ちたい人。
一番強いキャラが、自分のプレイスタイルに合っているとは限りません。
弾を撃つのが極めて上手い人が、投げキャラを使っても結果を残すのは難しいでしょう。
一番強いキャラに自分のプレイスタイルを無理やり合わせても、どこかチグハグなものになります。
中途半端な強さとなりやすいのです。
キャラの性能とプレイスタイルが噛み合っているプレイヤーに同じキャラで挑んでも、まず勝てないでしょう。
性能とプレイスタイルが噛み合っているキャラの方が、まだ結果を出しやすいのです。
3.技術を他キャラに流用できない
スト6における「JP」は紛れもない最強キャラです。
しかし、その特殊過ぎる性能によって他のキャラにJPで培った技術を流用できません。
たとえば、「ケン」と「ルーク」であれば、同じ道着キャラとして技術を流用できるでしょう。
さらにメタ的な視点で言えば、同じ道着キャラである「リュウ」がアップデートで強くなったときに簡単に乗り換えられます。
鉄拳7でも、「豪鬼」や「ギース」などのゲスト参戦した2Dキャラは、いくら強くても鉄拳キャラに技術を流用するのが難しいです。
「カズヤ」や「デビル仁」など、いわゆる三島系であれば技術を流用できます。
同じ三島系を使えるはもちろん、他の風神ステップを持ったキャラ(仁やボブなど)でも身に付けたコマンドテクニックを発揮することができます。
技術に汎用性が無いキャラをピックすると、そのキャラが弱くなったときに悲惨なことになります。
これは現実の世界でも同じで、「◯◯専門店」といった流行に乗った店がブームが去るのと同時に消えるのに近いです。
一芸に秀でるというのは、リスクも伴うのです。
一番強くても、その性能から技術が流用できなければ、やり込むのに一抹の不安があるのも事実なのです。
今回は、強キャラをピックしない理由の解説でした。
キャラ選びは重要です。
自分に合ったキャラを探すのも格ゲーの魅力ですね。