格闘ゲームで生き残る

『鉄拳8のアグレッシブを全力で推す理由』と、バックステップという鉄拳の闇

鉄拳の対戦を見たことがある方は、このような光景を見たことがないでしょうか↓

カサカサ、ピクピクと動きながら、お互いに様子見しているような状態です。

 

これ、何をやっているのかというと、後出しジャンケンをお互いに狙っています。

相手の行動に合わせて、後出しで正解の手を出したいのです。

格闘ゲーム的に言うなら、スカ確(差し替えし)をお互いに狙っています。

 

結論から、

「鉄拳は下がるという行為がとにかく強い」です。

 

通常、格闘ゲームは下がっていると画面端に追いやられてしまいます。

画面端に追い詰められると、かなり不利な状態となってしまいます。

 

鉄拳も例外ではありません。

壁を背負った状態(2D格ゲーでいう画面端)だと、どんなに上手いプレイヤーも事故ります。

 

しかし、鉄拳は3D格ゲーなので、横移動があるのです。

↓の動画を見て下さい。

壁から逃げやすいのです。

たとえ壁際に行っても、横移動によって何とかなります。

 

さらに、鉄拳はバックステップの硬直をしゃがみでキャンセルすることが出来ます。

いわゆる「山ステ」と呼ばれる技術です。

この技術を用いることによって、高速で下がることが出来ます。

 

バックステップによって、読み合いを拒否する場面も多いです。

・攻撃を受けたあとに、バックステップしなかった場合↓

 

・攻撃を受けたあとに、バックステップをした場合↓

バックステップによって相手の攻撃を回避しています。

鉄拳では、このような場面が星の数ほどあります。

とりあえずバックステップをしておけば何とかなるのが鉄拳です。

あまりにバックステップが安定行動過ぎるんですね。

 

「下がるのが強い上に、下がることにデメリットが無さすぎる」というのが何となく伝わってくれれば幸いです。

 

鉄拳をプレイしたことがある方は、覚えがあると思いますが、、

「ずっと後ろに下がられて何も出来ずに負けてしまう」

強い人と戦うと、この現象がザラに起こるんですよね。

 

これ、超つまんないですよね?

 

ボクも経験があります。

(何かずっと下がってるんだけど…全然殴り合ってくれないし…どうして良いのか分からねぇ…)

 

しかし、自分も強くなるに連れて同じようなプレイスタイルになっていることに気付くんです。

博打をうって攻めるよりも、下がっている方が安定して勝てるんです。

下がっていれば荒らされずに済むんです。

 

何より、下がっていた方がなんですよね。

様子見しながら、相手の攻撃に対して後出しで手を打つ方が楽なんですよ。

 

だからみんな下がるんです。

 

ここで、一つだけ言っておかなくてはならないことがあります。

「下がるのが強い」ということは、「対戦ツールとして良く出来ている」ことの裏返しでもあるのです。

 

上手いプレイヤーがちゃんと守りきれる。

上手いプレイヤーが強引な荒らしプレイを受けづらい。

 

「上手いプレイヤーがちゃんと勝てる」のです。

簡単に言えば事故ることが少ないんですね。

 

面白い、つまらない。

感情論を混じえないのなら、対戦ツールとして良く出来ていると言えます。


 

ここから、「鉄拳8」に舞台を移します。

 

結論から、鉄拳8ではバックステップが弱体化されました。

下がる行為が弱体化され、逆に距離を詰める行為が強化されています。

 

下がる距離を比較してみて下さい。

5回バックステップをしています。

・鉄拳7のバックステップ↓

 

・鉄拳8のバックステップ↓

明らかに鉄拳8の下がる距離は短くなっています。

バックステップが弱体化したのです。

 

そして、距離が詰めやすくなりました。

鉄拳8では近距離でも走ってくれます。

・鉄拳7では近距離では走れない↓

 

・鉄拳8では近距離でも走れる↓

近距離でも走れるので、下がる相手を追いやすくなりました。

結果的に密着状態を作りやすくなったので、読み合いに持ち込みやすくなります。

 

ついでに言えば、近距離でも走れることによって、走り中に出せる技も出しやすくなりました。

鉄拳では走り中に出せる技に強力なものが多いです。

強力な技が出しやすくなったことにより、ガンガン突っ込めるようになったのです。

 

新たなシステムである「ヒート」も密着状態を作れます。

ヒート対応技を当てると、強制的に密着状態となります。

神も逆らえない読み合い(二択)が始まります。

 

下がる行為の弱体化と、密着状態が作りやすくなったことで、鉄拳8ではバチバチに読み合いが展開する場面が増えました。

端的に言うなら、荒らしやすくなったのです。

もう下がっているだけでは勝てません。

 

鉄拳が上手い人が、、

「鉄拳8は初心者でもワンチャンある」とか言っているのは、この辺りが原因です。

つまり、下がって読み合いを拒否出来ずに、強制的に読み合いを迫られるので、誰でも荒らすチャンスがあるのです。

 

さらに、鉄拳8では横移動が強化されました。

びっくりするくらい横移動で避けてくれます。

横移動が強いと待ちゲーになる(相手の攻撃を待ってかわすのが戦法的に強くなる)と最初は思いましたが、それは早計でした。

なぜなら、横移動の場合は「距離が離れない」からです。

バックステップで安全圏まで逃げるのと違って、横移動は距離が離れず読み合いが継続します。

この辺りの感覚は、バーチャファイターに近いものがあるかもしれません。

 

鉄拳8のコンセプトは「アグレッシブ」です。

そして、全ての要素がアグレッシブを推奨するように調整されています。

 

ハッキリ言って最高です。

良い方向に鉄拳は生まれ変わろうとしています。

 

きっと、これまでの鉄拳プレイヤーのなかには、鉄拳8が嫌いな人もいるでしょう。

「ぶっぱゲー」

「荒らしゲー」

「じゃんけんゲー」

「あまりに読み合いがくだらない」

否定は出来ません。

 

しかし、鉄拳プレイヤーは良い加減に認めた方が良い。

消極的にカサカサと下がり合いながら様子見するゲームと、

突っ込んでバチバチに殴り合えるゲーム

 

どちらがスリリングだ?

どちらが面白い

どちらが見ている人をより惹き付ける

 

これまでの鉄拳はあまりにゲームとして渋すぎたんですよ。

もう良い加減に下がるのをやめて殴り合いっこしませんか。

 

守るのが強いゲームだと、古参勢が有利過ぎるのも問題です。

荒らせないし荒らされない。

これではシーンが停滞し、新たなスタープレイヤーが生まれづらくなってしまいます。

 

もう安全圏に下がって様子見するゲームは飽きました。

 

鉄拳8のアグレッシブを全力で推します。

ぶっぱゲー、荒らしゲー上等です。

いまの方が楽しいです。

 

鉄拳は間違いなく良い方向へ進化しています。

ボクは鉄拳8が大好きです。

鉄拳8のアグレッシブを全力で推します。

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