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素晴らしいリメイク、余裕で原作超え「最後まで行く」(日本版)感想 レビュー

 

1.「最後まで行く」(日本版)ってどんな映画?

同名タイトルである韓流映画の「最後まで行く」を日本でリメイクしたものです。

ダークコメディクライムサスペンスです。

人を轢いてしまった刑事が、事故を隠蔽しようとしているうちに、陰謀に巻き込まれてゆく物語です。

原作版のレビューはこちら↓

「最後まで行く」(韓国版)

 

2.どんな人におススメ?

・原作ファン

・ダークコメディが見たい方

・クライムサスペンスが見たい方

 

3.珠音真珠の感想

2023年のベスト候補です。

素晴らしいリメイクです。

個人的には余裕で原作超えをしていると思います。

 

本作を鑑賞するにあたって、懸念が二つありました。

 

1.原作をなぞっているだけで退屈なのでは?

2.日本と韓国の文化の違いによる整合性を、ご都合主義でごまかされるのではないか?

 

結論から、どちらもまったく問題ありませんでした。

 

リメイク版のトレーラーを見る限りでは、原作をなぞっているだけに見えたのです。

展開も原作まんまですし、敵もトレーラーの段階からネタバレしているんですよね。

 

実際は、大まかには原作をなぞっていますが、ちゃんとリメイクならではのツイストが入っています。

オチも読めなかったですね。

 

さらに、「どうせ原作見てんでしょ?この後の展開だって知ってるでしょ?」と言わんばかりに、テンポが良いんです。

原作を知っている人でも退屈しません。

下手をすれば、原作を知らない人は置いていかれるかもしれないレベルでテンポが良いです。

さらに、原作よりもキャラクターの描き込みがしっかりしているので、より物語にのめり込めます。

 

原作では、主人公が轢いてしまった死体の処理方法として、埋葬される母の棺に一緒に収めようとする展開があります。

韓国では土葬が主流なので、棺に死体を収めてしまえば、そのまま埋められて証拠隠滅という寸法です。

しかし、日本では火葬が主流です。

棺に2体の死体を入れて火葬すれば、おかしいことに気付かれるでしょう。

こういった文化の違いによる問題点も上手く物語に落とし込んでいます。

ご都合主義に走っていません。

それこそ、「主人公の住む地域では土葬による文化がある」なんて都合の良い設定を作らないのは素晴らしいです。

 

何より好印象なのは、原作の持つコメディ要素をさらに強調していることです。

「最後まで行く」という作品は、結局コメディなんですよ。

ダークなコメディなんです。(あえて”ブラック”ではなく、”ダーク”と言わせて欲しい)

笑える作品なんです。

原作よりも圧倒的にオーバーリアクションですし、一流の俳優による最高の顔芸が堪能できます。

やっていることは、ダークなコントなんです。

 

原作にもあった、宗教(神仏)すら踏み躙るほどの、人間の業を描いているのは最高です。

墓場での乱闘シーンなんて罰当たり過ぎて気持ち良くなってしまいます。

 

原作を鑑賞済みでも、ボクは劇場で一度も退屈しなかったし、最後までずっと楽しいまま鑑賞を終えました。

素晴らしいリメイクです。

原作を超えています。

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