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殺人鬼グラビアとして完成を見るかと思いきや…「エスターファーストキル」感想 レビュー

目次

1.「エスターファーストキル」ってどんな映画?

2.どんな人におススメ?

3.珠音真珠の感想

※作品の性質として前作のネタバレを含みます。前作を未鑑賞の方は注意してください。

 

1.「エスターファーストキル」ってどんな映画?

娘が失踪してから4年が経過した裕福な一家。

ある日、「娘が保護された」との連絡が入る。

久しぶりの再開に喜ぶ一家だったが、娘の様子はどこかおかしく…

前作である「エスター」の前日譚です。

エスターが孤児院に入るまでに何があったのか?という話です。

ただし、前作を見ていない方でも楽しめます。

前作を見ている方はより楽しめます。

 

2.どんな人におススメ?

・エスターというキャラをより深く理解したい方

・エスターの受難が見たい方

 

3.珠音真珠の感想

前作「エスター」が世界に与えた影響は絶大です。

映画としての完成度が高いのはもちろんのこと、「合法ロリ殺人鬼」というインパクトのあるキャラクターは世界を震え上がらせました。

本作はその前日譚にあたります。

 

結論から、ボクはあまり好みではありません。

 

メタ的な視点ですが、前作を鑑賞済みであれば、エスターがどのようなキャラか知っています。

前作を知らない方でも、「エスターが見た目は子どもだが、凶悪な殺人鬼である」ということを物語の冒頭から説明してくれます。

 

「エスターとは何なのか?」というネタバレをした状態から物語が始まるわけです。

これが何を意味するかと言うと、「こんな小さな子どもがまさか殺人鬼だった…」という前作とは違って、最初からエスターを暴れさせることができます。

 

実際にエスターは冒頭から暴れまくりです。

凶暴な性質と、知能的な立ち回りを披露してくれます。

ボクは劇場でぶち上がりました。

 

これが見たかった。

上質な殺人鬼グラビアをたっぷり堪能できると興奮しましたね。

 

ところが、ネタバレを防ぐためにボヤかしますが、物語の途中で物凄いツイストが入るんです。

これには驚愕しましたが、そこから中だるみしますし、個人的に好みの展開ではありませんでした。

 

エスターと同じくらいの悪が、敵としてエスターの前に立ちはだかるのです。

 

エスターにも災難が降りかかるという展開は、キャラクターの描き方としてフェアだと思いますが…

エスターもその敵も、同じくらいクソ野郎なので、見ている側としてノリずらいし、どういう気持になって良いのかよく分かりません。

 

敵側が間抜けなのもイライラします。

前作では、夫の無能っぷり(ただしそれが物語的に意味がありました)にイライラしましたが、今回は敵の無能っぷりにイライラします。

 

前作を見ている人であれば、ストーリー的に結末を知っているわけで、最終的にどちらが勝つか分かっています。

その時点で、対決に緊張感が無いのです。

(結局エスターが勝って生き延びるんでしょ…)と、茶番感が拭えません。

 

敵の性質的にも、エスターの「合法ロリ殺法」が封じられてしまったのが良くなかったと思いますね。

殺人鬼の魅力を削ぐような展開は良くないです。

 

もっとエスターが好き勝手に暴れられる舞台を用意して、殺人鬼グラビアとしての完成度を高めて欲しかったのが本音です。

 

おぞましくも悲しい殺人鬼であるエスターの受難を描いた本作は、よく出来てはいるのですが、好みの展開ではありませんでした。

前作の完成度が高過ぎたというのもありますね。

 

しかし、時を超えて同じエスターを演じた「イザベル・ファーマン」は本当にお見事でした。

高い演技力はもちろんですが、エスターというキャラクターの持つ歪さを見事に表現していました。

現代でも劇場にてエスターを見られたことが、映画ファンとしては何よりも嬉しいですね。

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