「仮面ライダー20周年記念」という名目で作られたオリジナルビデオです。
TVによる規制をなるべく排除した、大人向けの作品となっています。
ビジュアルもグロテスクですし、男女が裸となって泳ぐシーン(もろに乳首も見える)もあるので、子どもに見せるには注意が必要です。
財団の手によってバッタの遺伝子を組み込まれ、改造兵士となってしまった風祭真(主人公)の悲劇を描いています。
・大人向け特撮が見たい方
・仮面ライダーシンのビジュアルに興味を持った方
凶悪なビジュアルは一度見ると忘れることが出来ないほどのインパクトがあります。
完全にバッタ怪人です。
「仮面ライダー」と言っても信じてもらえないでしょう。
本作は明確に大人向けの作品です。
物語の冒頭から、鮮血が迸り、女性の下着が見えたりします。
随所にお色気ショットもありますし、女性の裸も出ます。
「子どもが見るものじゃない」というメッセージが伝わってくるようです。
生体兵器開発のために、勝手にバッタの遺伝子を組み込まれてしまった男が主人公です。
そこにはヒーローとしての威厳など無く、改造人間となってしまった者の悲劇が描かれています。
変身ポーズもなければ、ライダーキックもありません。
変身というよりも、「変態」という言葉の方が適切でしょう。
戦い方も、引っ掻く、目に指を突っ込む、隠れて奇襲する、など、およそヒーローとは似つかわしくない怪人戦法そのものです。
それだけに、戦闘シーンは凄まじい緊張感があります。
ところで、仮面ライダーシンは面白いのか?
個人的に、60点くらいの出来だと思います。
グロテスクなビジュアル、見ごたえのある戦闘シーン、生々しい特撮メイク、これらは本当に素晴らしいです。
主人公の顔もどこか怪物染みている印象を与えます。
失礼ですが、どう見ても悪役面です。
ヒーローっぽい顔立ちではありません。
それが本作にマッチしていて、見事なキャスティングだと言えます。
しかし、ストーリーは鈍重で、主人公が悪夢に苛まされる展開が繰り返されるのは退屈です。
所々で挿入される重火器によるアクションシーンも、(それさっきも見たよ…)というような絵面ばかりで、やはり退屈に感じてしまいます。
本作は90分ありますが、60分くらいに縮めても良かった気がします。
「序章プロローグ」とタイトルに銘打ってありますが、本作は単体で完結しています。
続編を作ろうと思えば作れるが、本作だけでも綺麗に〆ているので、モヤっとすることは無いでしょう。
まさに序章、ストーリー0(ゼロ)として、完璧な役割を果たす作品です。
余談ですが、ボクは仮面ライダーシンと写真を撮ったことがあります。
池袋で開催された「生誕50周年記念 THE仮面ライダー展」で撮影しました。