あの大ヒット映画である「ゴーストバスターズ」、「ゴーストバスターズ2」の続編となる作品です。
「ゴーストバスターズ」、「ゴーストバスターズ2」の監督の息子がメガホンをとっています。
本作はゴーストバスターズの孫娘が、ゴーストバスターズとなり世界を救う物語です。
・ゴーストバスターズシリーズのファン
ファンじゃない人にとっては微妙な作品となるかもしれません。
詳しくは感想にて。
結論から「否定材料は山ほどあるが、最後にはそれを言いづらくしてしまうズルい映画」という感想です。
往年のシリーズファンである、おじ(おじさんの略)は間違いなく見に行くべきでしょう。
ファンでないのなら楽しめる保証は無いです。
ボクはゴーストバスターズシリーズを全て見ています。
初めて見たのは小学生の頃でした。
当時、ゴーストを科学で解決する姿勢には衝撃を受けました。
怖くて恐ろしいだけの存在であるゴーストをコミカルに描いているのも楽しかったですね。
ゴーストバスターズのメンバーも、基本はボンクラだけど科学だけはガチという設定が格好良いんですよ。
子どもながらに一芸に秀でた人間の格好良さに痺れました。
しかし、正直に言うとそこまでゴーストバスターズに思い入れはないです。
好きなシリーズの一つ、それくらいの熱量です。
本作はシリーズに対する熱量によって大きく評価が変わります。
すみません。いきなり否定から入ります。
本作は尺のバランスが悪いです。
ゴーストバスターズとしての活躍が始まり、物語が大きく動き出すのが、後半の3割ほどです。
全体の7割くらいは日常パートです。
ですので、ゴーストバスターズの活躍を見たくて映画をチェックした人からすれば、肩透かしをくらいます。
ボクはゴーストバスターズの活躍が見たかったので、退屈で眠くなってしまいました。
良く言えば、ゴーストバスターズとして活躍するまでをとても丁寧に描いています。
なぜ旧ゴーストバスターズは解散したのか?
現代ではゴーストバスターズはどういう扱いなのか?
現代でゴーストバスターズとして活動するとはどういうことなのか?
結構リアリティがあってシリアスなんですよ。
ゴーストバスターズが解散した理由も個人的にはとても好みでした。
でも、ゴーストバスターズにリアリティやシリアスな味付けは食い合わせが悪いのも事実です。
ゴーストバスターズはもっとコミカルでテンポ良く進んだ方が楽しいと思います。
スパイダーマンでたとえるなら、蜘蛛に噛まれるまでが長すぎます。
仮面ライダーでたとえるなら、変身ベルトを手に入れるまでが長すぎます。
ヒーローの活躍が見たくて劇場に行ったら、一向に変身する気配もなく、ダラダラとした日常描写ばかりが続く。
それがゴーストバスターズ アフターライフです。
しかし…
悔しいことに、時折出てくるガジェットにはやっぱりアガっちゃうんですよ。
ゴーストトラップ(ゴーストを捕獲するペダルが付いた機器)
プロトンパック(背中に背負ったビーム機)
ECTO-1(エクトワン、エクトモービルとも、ゴーストバスターズが乗る車)
これらが出てきちゃうと嫌でもテンションがアガります。
作品に思い入れのあるおじだったら、この時点でメチャクチャ楽しいと思います。
そして、ゴーストと対決するラストシーン。
ズルいんですよ。
それほど作品に思い入れのないボクですら泣きましたからね。
この記事を書きながら思い出しているだけで泣けてきます。
本作は他にも駄目なところがたくさんあるんですよ。
雑魚ゴースト(失礼)に尺を割きすぎ。
ラスボスのヤバさが全然伝わらない(田舎町をちょっと引っ掻き回しただけ)。
ガールフレンドがゴーストバスターズに加入するのが突然すぎる。
感情移入できるキャラがいなくてノれない(本当に失礼ですがキャラに魅力がないです)。
アクションがモタモタしているうえに、ガジェットの不発が多すぎてイライラする。
それらを吹き飛ばすほどに、ラストシーンにはやられちゃいましたね。
あれを見せられちゃうと否定しづらくなってしまいます。
思い入れのあるおじであれば昇天してしまうでしょう。
総じて、「おじの性感帯を刺激するズルい映画」です。
作品のファンであればチェックしましょう。
逆に、思い入れのない方にはおススメしづらいです。
コミカルでポップな作風から、エモい作品に様変わりしています。
映画館で大音量のゴーストバスターズのテーマソングを聴けたのも良かったですね。
あとマシュマロマンの可愛さが異常でした。
余談。。。
ボクが昔勤めていた会社での出来事です。
「アニキ」と呼ばれるイジられキャラの先輩がいました。
アニキはとても太っていて、頭もツルツルでした。
ボクはデリカシーが無い人間なので、「アニキ、本当にマシュマロマンみたいだな」と本人に言いました。
するとアニキは「お前…ちょっとここで待ってろ…」と言い残し、会社の備品置き場へと姿を消しました。
(怒らせてしまったかもしれない…)、ボクはそう思って言い訳を考えながら待っていました。
備品置き場から凶器となるものを持ってきて襲われるのではないか?
身構えているボクの前に掃除機を抱えたアニキが戻ってきました。
「誰がゴーストバスターズやねん」と笑顔を見せるアニキがそこにいました。
ボクは(この世界には本当に良い人というのが存在するんだなぁ)と思いました。