飛べるのかよ…!じゃあもっと飛べよ…!!「氷血」感想、レビュー

※楽しみを奪わない程度にネタバレがあります。未見の方は注意!!
日本の怪談である”雪女”をフィーチャーしたホラー映画です。
豪雪地帯に引っ越した夫婦。
その家では謎の白い女が現れ…
・ヒトコワやミステリー要素もある作品が見たい方
・真冬の映像を見て身体を冷やしたい方
あえて点数を付けるのなら”40点”です。
つまらないとまでは言いませんが、面白くはなかったです。
日本の怪談である”雪女”を題材としています。
そこへ現実的な解釈、ヒトコワ要素を掛け合わせて、ホラー映画に仕立てたという感じです。
良かった点は2つ。
ギャグに逃げていないこと。
真冬の映像を真夏に映画館で体感できたこと。
ギャグに逃げていないのは好感が持てます。
自分はギャグに逃げているホラー作品が好きではないので、誠実に怖さを追求している点は好印象です。
凍えるような真冬の映像を、真夏に映画館で体験できたのも良かったです。
心なしか、クーラーの効きが強かったような気さえしました。
劇場まで足を運んで良かったです。
豪雪地帯の隔絶された様子や、寒さというのは人命を容易に奪いうるという自然の恐怖が表現されているのも良かったですね。
気になった所が、雪女の恐怖を描くことについて振り切れていないのが伝わってくるところです。
”遠慮”あるいは”躊躇”のようなものが随所から伝わってくるのです。
本当は思いっ切りやりたいけど…ここまでやるのはどうなんだろう…?
二の足を踏むような姿勢が感じられます。
仰々しさ、ケレンはあるのです。
ゴア描写も頑張っていると思います。
断面図やモツ(冷凍)まで見せてくれます。
しかし、静的な場面が多すぎて、どうにもチグハグなのです。
静と動の緩急があるだとか、映画的にポジティブに働いていません。
終盤に雪女が襲ってくるシーンがあります。
地面に積もった雪の中から出現し、そのまま空を飛んで襲ってきます。
この描写には、心底驚きました。
お前…飛べるのかよ…!!!!
テンションが上がった瞬間です。
雪女は強い…!雪女は怖い…!
このシーンは凄く好きです。
こういったシーンをもっと増やすべきだと思います。
なぜなら、本作は怪異として雪女ならではの差別化が出来ていないからです。
基本的に、雪女は家のなかに佇んでいたり、消えたり出てきたりするだけです。
あくまで静的な恐怖演出にとどめています。
もっと問題なのは、そのビジュアルです。
長髪、黒髪、白いワンピース(ネグリジェ)。
”貞子”にしか見えません。
たしかに怖いし、それなりに緊張感もあるのですが。。
(なんかどっかで見た絵面ばっかりだなぁ…)
数多のJホラーで散々見飽きた絵面という印象が拭えません。
それもあって、終盤の空を飛ぶシーンには度肝を抜かれたのです。
雪女に関しては、遠慮せずに、もっとやっちゃって良かったと思います。
そして、子どもが斧を振りかざすシーン(トレーラーでも流れる)は絶対に要りません。
断言します。あんなシーンは尺の無駄です。
なぜなら、振り下ろすはずが無いとメタ的に予測できるからです。
本当に冷めます。サスペンスになっていないです。
あんなシーンでドキドキするなんて、人を疑うことを知らない聖人君子だけです。
最後に、”顔面パンチ”のシーンは100点満点です。
劇場特典↓

表面と裏面に違う絵が印刷されたカードです。
本作とはまったく関係ないのですが、、
ジャンプコミックスの”ぬ~べ~”に出てくる”ゆきめ”は神デザインだと思います。
あそこまで雪女を可愛くデザインできるのは、天才的なセンスです。
ちなみに、あの特徴的な髪型(モミアゲが極端に長い)は、作者が実際に街ですれ違った人をモデルにしているらしいです。


