愛する我が子のため、母は今日も食べ物を探します「静寂には遅い」感想、レビュー


WOLF RPGエディターで作られたホラーアドベンチャーゲームです。
全4編で構成されていて、1編は10分前後(ゲームに慣れている人であれば5分前後)で終わります。
各地でアイテムを入手し、必要な場面で使用してゲームを進めます。
極めてセンシティブな内容を含むゲームなので、精神的に弱っている方はプレイを控えるべきかもしれません。
ジャンプスケアはありませんが、キツめのゴア描写があるので苦手な方は注意。
母は、お腹を空かせた我が子のために、今日も食べ物を運びます。
フリーゲームとして配信されています。
ダウンロード↓
・サクッと遊べる作品がプレイしたい
・イヤミス(嫌な気持ちになるミステリー)のような作品がプレイしたい
・難しいゲームはちょっと…という方
・物語としての完成度が高い
・ゲームの作りとして丁寧
・無駄に難易度を上げていない
・プレイし終えたあとに苦いものが残る
・とくになし
・とくになし

素晴らしい作品です。
良質なイヤミスを読み終えたときのような、強烈な苦みが心のなかに残ります。
愛する我が子のために、母は今日も食べ物を探します。
必要なものだけで、上手く構成された作品です。
たとえば、マップは家のなかだけです。
決して広くはありません。
物語に必要な舞台だけを探索させています。
プレイヤーに与えてくる情報も適切です。

主人公の台詞、イベントのテキスト、オブジェクトを調べたときに表示される画像。
そのすべてが、完璧なタイミングで適切に与えられます。
決してややこしくありません。
普通にプレイしていれば、考察する必要もなく、何をやりたい物語なのか見えてきます。
ストーリーテリングの手腕がずば抜けています。
個人制作の域をはみ出ていると思います。
完全にプロの脚本です。
個人的に痺れた演出がこちら↓

ゴミ箱を調べたときに表示されるテキストです。
このテキストを読んだだけで、主人公の状況や精神状態が一発で分かります。
ゲームとしても丁寧に作られています。
無駄に難しいことは求められません。
オブジェクトを順当に調べていけば、誰でもクリアできると思います。
かと言って、決してプレイが退屈なわけではありません。
プレイヤーがストーリーに集中できる程度の、程よいバランスに整えられています。
最後に、赤ん坊の泣き声というのは、本当に不快(と言うと語弊があるが…)だと思いました。
本能に直撃する危険信号というか、何が何でも止めなければならない、そう思わせるだけの嫌な音です。
まるで自分が責められているような…
静寂には遅い。それは誰にでも起こり得る悲劇です。


