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大漁にはコミュ症すら微笑む「シー・フィーバー 深海の怪物」感想、レビュー

 

1.「シー・フィーバー 深海の怪物」ってどんな映画?

大漁を求めて禁止区域へと船を進めると、そこには未知の怪物がいて…

海洋パニックスリラーです。

ゴア表現もありますので、グロいのが苦手な方は注意です。

 

2.どんな人におススメ?

・未知の脅威に対して科学や知恵で対処する作品が好きな方

・静的な作品が好きな方

 

3.珠音真珠の感想

「シー・フィーバー 深海の怪物」

仰々しいタイトルとは裏腹に、静的で上品な作品です。

そこにはB級映画の持つ意識の低さはありません。

物凄く真面目に作られた作品です。

 

大漁を求めて禁止区域へと踏み入ってしまった漁船が、深海に住む未知の怪物に遭遇する物語です。

深海の怪物ですが、映像的な見栄えは残しつつも、ギリギリ本当にいそうなデザインです。

鎌首をもたげて直接襲い掛かって来るのではなく、寄生生物として徐々に船を侵食していく様も上品でとても良いです。

船に使われている木の質感が変わり、水が汚染され、人間に寄生するのです。

 

海洋生物は淡水では生きられないのでは?

紫外線を浴びせれば対処できるかも?

襲い掛かる脅威に対して、科学と知恵で乗り切ろうとする流れも上品です。

銃や爆弾で対処する、そこらのモンスターパニック映画とは違います。

 

物語はずっと船の上で展開されるので、映像的な派手さは無いものの、人間ドラマもあって飽きるさせることはありません。

誰が感染しているのか?

感染の疑いがあるまま港に上陸しても良いのだろうか?

揉め事にしても、まさに理想(感情)と現実のせめぎ合いのような形で、見ていて興味深いです。

コロナ禍を経験した現在となっては、なおさら考えさせられますね。

 

個人的に好みなのが、深海の怪物に「悪意」などなく、ただそこに存在していただけという描き方です。

深海にはとんでもない寄生生物が存在し、そこへ人間が踏み入ってしまっただけなのです。

そこには善も悪もありません。

最後に、主人公が下した決断も好きです。

 

本作を静的で上品な映画と書きました。

物凄く真面目に作られた作品なのは間違いありません。

ただ、それだけに盛り上がりに欠けるところもあります。

潤沢な資金を元に作られた作品ではないですし、ド派手な展開やド派手な絵面はありません。

そこは賛否が分かれそうです。

個人的には、たまにはこういうノリも悪くないな、と思いながら楽しめました。

 

最後に、主人公は基本的にしかめっ面のコミュ症なのですが、船が大漁のときには思わず微笑んでいたのが妙に印象的です。

あのシーン好きです。







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