「ブギーマン」で有名な名作ホラー映画の完結編です。
ハロウィンシリーズを見ていない人であれば、かなりノリづらいです。
また、ハロウィンシリーズに何を求めているかによってかなり評価が分かれる作品だと思います。
・社会的メッセージが含まれた作品が見たい方
ボクはハロウィンシリーズのファンです。
「被害者が被害者のままでいない」ところが大好きなんですよ。
ハロウィンシリーズは、マイケル・マイヤーズ(ブギーマン)という殺人鬼が、ハロウィンの季節になると襲ってくるというホラー映画です。
主人公を含め、劇中で登場する人物はマイケルに怯えているばかりではありません。
ちゃんと反撃します。
過去作では街のみんなでマイケルを倒そうとする胸熱展開まであったりします。
化け物フィジカルのサイコキラーに対して、知恵を絞りトラップを仕掛け、団結して撃退しようとする。
ハロウィンシリーズの大きな魅力です。
そんなハロウィンシリーズも今作で完結です。
もちろん劇場へ直行しました。
個人的にはかなり良かったです。
しかし、かなり変わり種の映画ですね。
好みは分かれるでしょう。
本作で素晴らしい点が、2つあります。
一つ目は、しっかりハロウィンシリーズを終わらせてくれたことです。
「実は殺人鬼はまだ生きていた」
そんな手垢が付いたつまらないオチに逃げていません。
ちゃんと終わります。
2つ目は、恐怖が持続するように現実の社会問題も絡めて描いていることです。
実は社会的メッセージが強い作品なんですね。
物語の前半で、主人公の孫娘が、不慮の事故によって迫害を受ける冴えない青年と仲良くなります。
この前半部分は、(一体自分は何を見せられているんだ?)とずっと思っていましたね。
つまらない、というよりも何をしたい作品なのか分からなかったんです。
青春恋愛映画でもあるまいし、一体いつになるとハロウィンが始まるんだ…?と。
その冴えない青年が中盤になると、第二のブギーマンとなるのです。
この展開は賛否両論あれど、本作のテーマを上手く表しています。
つまり、「社会から迫害された人間はサイコキラーになり得る」ということです。
マイケル・マイヤーズは死にますが、いまも社会では新たなブギーマンが生まれている。
このような終わり方はお見事だと思いますね。
「社会から阻害された陰キャが、ブチ切れてハロウィンでパリピに牙をむく」
これって全然あり得ることでしょう?
それと、主人公のトラップ戦術は今回も健在ですので、お楽しみに。
ゴア表現も悪くなかったです。
口にガスバーナーを突っ込むシーンは最高でしたね。
あと忘れてはいけないのが音楽です。
ハロウィンの印象的なあの音楽を劇場で聞くとたまりません。
ボクは良い映画だと思いますよ。
お見事な終わり方をした作品だと思います。