目覚めると、両腕が無くなっていた主人公。
どうやら事故によって病院へ緊急搬送されたらしい。
「だいじょうぶ、我々が治してあげる、この薬を飲むんだ」
医師の言葉に従う主人公だが…
手書き風デザインのホラーアドベンチャーゲームです。
怪物が蔓延る施設内から脱出をはかります。
アクション要素はほぼ無く、謎解きやパズルをメインにストーリーを進めます。
・考察が好きな方
・グロテスクなゲームが好きな方
・謎解きやパズルなどの頭を使うのが好きな方
・死にゲーが好きな方
・「人体改造」というワードに惹かれる方
・声優がべらぼうに上手い
・音がリアル
・音楽が仰々しくなく雰囲気を損なわない
・考えさせられるエンディング
・移動が遅い
主人公がハンディを抱えているという設定は分かりますが、さすがにもう少し早くても良かったです。
・リトライがダルい
チェックポイントはそれなりに細かく設定されてます。
謎解きも、ほぼ解かれた状態からリスタートできます。
しかし、移動の遅さと、同じ謎解きをもう一度する必要がある(ギミックをもう一度動かす必要がある)ので、ダルいです。
死んだ直前からリスタートする設定でも良かったと思います。
初見殺しが多く、死にゲーなのもあり、リスタートは快適にして欲しかったです。
・謎解きの導線がやや上手くいっていない箇所がある
どうすれば良いか分からない、というよりも、そもそも何を求められているのか分からない場面があります。
解き終わってみれば良く出来ているとは思うのですが、初見は悩まされると思います。
・謎解きには「ひらめき」が必要なことを心得る
「コレを解いてください、ヒントはコチラです」みたいな作りをしていない部分もあります。
その場で出来ることは全て試してみましょう。
・ヘッドホンでプレイすることを推奨
音のクオリティが高い作品です。
攻略の上でも、音が重要な場面があります。
「目覚めると両腕が無い」というインパクトのある出だしから始まる本作は、強烈な引力を放っています。
たとえば、「隻狼SEKIRO」や「DMC5」でも主人公が腕を無くしてしまいます。
主人公が新たな力を手に入れるための設定です。
腕を無くした代わりに、より強力な「義手」が手に入ります。
失ったことによって、強化されるのです。
本作「The ER: Patient Typhon」では、腕が無いというハンディキャップが明確にゲームに反映されています。
通常のゲームでは、ドアに鍵をかけることによって部屋を封鎖します。
本作では、ドアにハンドルを付けることによって部屋を封鎖しています。
主人公は腕が無いので、ハンドルを回すことが出来ないのです。
「開かない部屋がある」
ゲームではありふれた場面ですが、新鮮に感じられます。
主人公は手で物が持てないので、口にくわえて物を運びます。
敵に触れると、反撃も許されず一方的に殺されます。
他のキャラクターから意地悪もされます。
常にお腹が減っているので、何でも食べます。
ドッグフードやネズミ捕りで使われているエサまで食べます。
主人公は徹底的に弱者として描かれているのです。
そんな主人公を何とかクリアまで見届けたいとプレイヤーに思わせてくれます。
本作は、初見殺しが多く、死にゲーです。
死亡するとトロフィーも貰えるので、そういうゲームなのでしょう。
リトライがやや面倒に感じられることも多いと思いますが、ぜひ主人公の行く末を見守って欲しいです。
ネタバレしたくないので、多くは語りませんが、ボクはエンディングが凄く好きです。
本音としてはネタバレ全開で記事を書きたいですが、さすがに自重します。
謎解きやパズルが好き。
人体改造などのグロテスクな設定が好き。
考察が好き。
そういった方はマストな一本だと思います。