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進化か退化か…そのハンディキャップはやがて…「The ER: Patient Typhon」感想 レビュー

 

1.「The ER: Patient Typhon」ってどんなゲーム?

目覚めると、両腕が無くなっていた主人公。

どうやら事故によって病院へ緊急搬送されたらしい。

「だいじょうぶ、我々が治してあげる、この薬を飲むんだ」

医師の言葉に従う主人公だが…

 

手書き風デザインのホラーアドベンチャーゲームです。

怪物が蔓延る施設内から脱出をはかります。

アクション要素はほぼ無く、謎解きやパズルをメインにストーリーを進めます。

 

2.どんな人におススメ?

・考察が好きな方

・グロテスクなゲームが好きな方

・謎解きやパズルなどの頭を使うのが好きな方

・死にゲーが好きな方

・「人体改造」というワードに惹かれる方

 

3.良かったところ

・声優がべらぼうに上手い

・音がリアル

・音楽が仰々しくなく雰囲気を損なわない

・考えさせられるエンディング

 

4.ちょっと気になったところ

・移動が遅い

主人公がハンディを抱えているという設定は分かりますが、さすがにもう少し早くても良かったです。

・リトライがダルい

チェックポイントはそれなりに細かく設定されてます。

謎解きも、ほぼ解かれた状態からリスタートできます。

しかし、移動の遅さと、同じ謎解きをもう一度する必要がある(ギミックをもう一度動かす必要がある)ので、ダルいです。

死んだ直前からリスタートする設定でも良かったと思います。

初見殺しが多く、死にゲーなのもあり、リスタートは快適にして欲しかったです。

・謎解きの導線がやや上手くいっていない箇所がある

どうすれば良いか分からない、というよりも、そもそも何を求められているのか分からない場面があります。

解き終わってみれば良く出来ているとは思うのですが、初見は悩まされると思います。

 

5.今からプレイする方へアドバイス

・謎解きには「ひらめき」が必要なことを心得る

「コレを解いてください、ヒントはコチラです」みたいな作りをしていない部分もあります。

その場で出来ることは全て試してみましょう。

・ヘッドホンでプレイすることを推奨

音のクオリティが高い作品です。

攻略の上でも、音が重要な場面があります。

 

6.珠音真珠の感想

「目覚めると両腕が無い」というインパクトのある出だしから始まる本作は、強烈な引力を放っています。

 

たとえば、「隻狼SEKIRO」「DMC5」でも主人公が腕を無くしてしまいます。

主人公が新たな力を手に入れるための設定です。

腕を無くした代わりに、より強力な「義手」が手に入ります。

失ったことによって、強化されるのです。

 

本作「The ER: Patient Typhon」では、腕が無いというハンディキャップが明確にゲームに反映されています。

通常のゲームでは、ドアに鍵をかけることによって部屋を封鎖します。

本作では、ドアにハンドルを付けることによって部屋を封鎖しています。

主人公は腕が無いので、ハンドルを回すことが出来ないのです。

 

「開かない部屋がある」

ゲームではありふれた場面ですが、新鮮に感じられます。

 

主人公は手で物が持てないので、口にくわえて物を運びます。

敵に触れると、反撃も許されず一方的に殺されます。

他のキャラクターから意地悪もされます。

常にお腹が減っているので、何でも食べます。

ドッグフードやネズミ捕りで使われているエサまで食べます。

 

主人公は徹底的に弱者として描かれているのです。

そんな主人公を何とかクリアまで見届けたいとプレイヤーに思わせてくれます。

 

本作は、初見殺しが多く、死にゲーです。

死亡するとトロフィーも貰えるので、そういうゲームなのでしょう。

リトライがやや面倒に感じられることも多いと思いますが、ぜひ主人公の行く末を見守って欲しいです。

 

ネタバレしたくないので、多くは語りませんが、ボクはエンディングが凄く好きです。

本音としてはネタバレ全開で記事を書きたいですが、さすがに自重します。

 

謎解きやパズルが好き。

人体改造などのグロテスクな設定が好き。

考察が好き。

そういった方はマストな一本だと思います。

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