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【※視聴済みの方向け】特オタおじさんが「超」分かりやすく【仮面ライダーブラックサン】の問題点を解説する

2022年10月末にアマプラにて「仮面ライダーBLACK SUN」が配信されました。

ボクも特撮好きとして、とても楽しみにしていましたし、ブラックサンのためだけにアマプラに加入したほどです。

 

すぐに全話視聴しました。

結論から、「ボクは好きだけれど、人におススメは出来ない」という感想です。

実際に、オタ友と会話しても「微妙」という人は多かったし、ネットで評判を検索しても賛否両論です。

 

興味深いのは「面白くない」という意見ではなく、「面白いと言えば面白いんだけど…」というような煮え切らない意見が多かったことです。

「そもそも、どういう話なのかよく分からなかった…」という方もいました。

 

そこで、個人的に思うブラックサンの問題点を解説します。

なるべく分かりやすいように書きますので、ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

 

では、さっそく結論から、

【キャラクターよりもストーリーが重視されている】

これがブラックサン最大の問題点だと思います。

 

詳しく解説していきます。

※ネタバレがありますので、未視聴の方はご注意

 

■ブラックサンはヒーロー(仮面ライダー)の再解釈ではない

「仮面ライダーブラックサン」という作品は、「仮面ライダー」という「ヒーロー」のリブート(再解釈)ではありませんでした。

仮面ライダーブラックの「ストーリー」を、監督なりに再解釈して作り上げたのが、仮面ライダーブラックサンです。

 

問題点は、「南光太郎」という主人公にスポットライトがしっかり当たっていないことです。

 

これは特撮ヒーローを扱う上で致命的な欠点です。

ブラックサンの南光太郎は、あくまでストーリーの1コマに過ぎない印象を受けます。

性格は暗く、あまり喋らず、何を考えているのかよく分かりません。

 

特撮はキャラありきだと思います。

観客が感情移入したり、応援できるようなキャラでなければ、主人公として相応しくないように思います。

 

南光太郎のキャラを変えるべきとか、分かりやすい性格にするべきと言いたいのではありません。

もっと南光太郎というキャラ(ヒーロー)にスポットライトを当てて欲しかったのです。

 

特撮ヒーローで主人公に乗れないというのは致命的です。

主人公に乗れないのなら、ストーリーにも乗れません。

ストーリーの再解釈の前に、南光太郎という主人公、仮面ライダーブラックというヒーローをもっと再解釈するべきだと思います。

「仮面ライダー」という冠を付けるのなら、まずは仮面ライダーを一番に描くべきです。

 

■過去編が鬱陶しい

全編に渡って、過去編がちょくちょくと挿入されますが、鬱陶しいというのが本音です。

個人的には、過去編だけで1話消費して、あとは現代編だけで繋げた方が良かったと思います。

 

過去編が挟まれることによって、ストーリーの流れが止まるのも嫌ですが、そもそも過去編があまり面白くありません。

その理由として、結局はキャラの描き込みが足りないせいだと考えています。

視聴者側としては、キャラに強烈な魅力があるからこそ、過去に何があったのか知りたがると思うのです。

 

たとえば、〇〇と××が仲が悪く、いがみ合っている。

〇〇と××というキャラにちゃんと魅力があるからこそ、

なぜ彼らは仲が悪いのか?過去に何があったのか?

初めて、そこで過去編が活きると思うのです。

 

ブラックサンでは、ストーリーを描くためだけに過去編が存在するような印象です。

「世紀王」という極めて重要なキャラクターが、ただのオッサンが偶然が重なりなっただけというのが、それを表しています。

 

キャラの描き込みが不十分なまま、過去編をやられても、やっぱり乗れないんです。

それが特撮作品なら、なおさらです。

過去なんてどうでも良いから早く続きを見せてくれよ、となってしまうのです。

 

■特撮オタクの性感帯は「設定」にこそある

ブラックサンという作品は、原作(漫画版&TV版)ファン(オタク)が悦ぶ要素が散見されます。

しかし、オタクへの目配せの前に「設定」を練り固めるべきだと思います。

 

それが如実に表れているのが、クジラ怪人がブラックサンを復活させるシーンです。

クジラ怪人が命の水をブラックサンにかけて復活させる場面は、TV版を見ているオタクであればニヤニヤできるでしょう。(TV版ブラックでもクジラ怪人がブラックを助けるエピソードがある)

しかし、TV版を見ていない人からすれば、あまりに意味不明なシーンだったはずです。

 

たとえば、クジラ怪人は異常な回復力で自己再生する(ブラックサンにボコられ、カニ怪人に刺されても生き残っている)。

そのクジラ怪人の体液とヘブンを混ぜ合わせた結果、とんでもない回復薬が完成した。

それをブラックサンにかけて復活。

このように、いくらでもやりようはあったと思います。

 

他にも気になるところをいくつか挙げると…

・そもそもキングストーンって具体的になんなの?

・なぜ、ブラックサン、シャドームーン、マンティスだけベルトと変身ポーズがあるの?

・なぜ、ブラックサンとシャドームーンだけ二段階に変身できるの?

このような設定をちゃんと描いて欲しかったのが本音です。

 

オタクって設定が何より好きなんですよ。

「〇〇はおかしい」という、にわかのツッコミに対して、

「いや、あれは××という設定があって…うんぬんかんぬん…」

オタクがドヤ顔で解説する場面をリアルでも見たことあるでしょ?

そういうことです。

 

他にもう一つだけ言えば、ゴルゴムの「ダロム、ビシュム、バラオム、ビルゲニア」という呼び名もブラックサンの世界観では違和感があります。

あれも政党内でのコードネームみたいな、ちょっとした解説(設定)があれば、オタクはアガるんですけどね。

 

もちろん、何にでも意地悪なツッコミを入れたいわけではありません。

ツッコミが野暮だということもオタクは重々承知なのです。

ただ、ブラックサンでは、もう少し設定を大事にして欲しかったのです。


 

長くなりましたが、【キャラクターよりもストーリーが重視されている】という問題点が少しでも伝われば幸いです。

ストーリーとキャラクターの描き方がちぐはぐで乗れないのです。

特撮で、キャラクターの描き方がぞんざいなのは擁護できません。

 

悪い意味で、監督の描きたいものと、そうでないものがハッキリし過ぎていると思います。

仮面ライダーブラックという作品を、社会問題も含めて現代的にアップデートしたのは見事ですが、その前にキャラクターと設定をもっと練るべきだったと思います。


~ここからスーパー擁護(言い訳)タイム~

 

ボクは、仮面ライダーブラックをリブートすること自体が物凄い偉業だと思っています。

仮面ライダーブラックは、あまりに熱烈なファンが多くて、手を出しにくい作品でもあると思うんですよ。

ファンの熱量で言えば、ブラックはガチ勢が多い印象があります。

 

よくぞブラックをリブートしてくれたな

というのが、特撮オタクとしての本音です。

 

現代でブラックを復活させてくれた、またブラックを見られたことを本当に嬉しく思います。

感謝の念しかありません。

YouTubeの予告で流れた、ブラックの変身ポーズ、ゆるさん!という怒声、それだけでボクは生きる気力が湧いてくるほどテンションが上がりました。

 

実際に、第5話にてブラックサンが変身するシーンは、あまりに格好良すぎて30回くらい巻き戻し再生して見ました。

誇張じゃありません。それくらいボクにとっては格好良いんです。

 

ブラックサンのフィギュアだって買いました。

 

シャドームーンのフィギュアとバトルホッパーのフィギュアだって予約済みです。

ボクはブラックサンが大好きです。

だからこそ、本当に好きなものだからこそ、ボクは盲目的に擁護したりせず、本音を言いたいのです。


おまけ

ボクの撮影したブラックサンのフィギュアを、友だちが画像編集で赤目にしてくれました。

あまりに良く出来ているので最後に貼り付けます。

剣を持ち、赤目になると、とたんにRX感が出ますね。

いや~本当に格好良い!ブラックサンのデザインは最高ですね。

 

こっちが編集する前の画像↓

個人的に赤目の方が格好良いですね。

いずれブラックサンRXも見られる日が来るかも…なんて期待をちょっとだけしてます!

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