映画「モンスターハンター」(※以下モンハン)を見ました。
ボクはゲームのモンハンもプレイしています。
モンハンファンのボクから見ても、映画のモンハンは駄作と言わざるをえません。
そこで、何が悪くてどうすれば良かったのか自分なりに書きます。
※ここから楽しみを奪わない程度のネタバレをします
悪いところ
1.リアリティラインが滅茶苦茶で物語に入り込めない
リアリティラインが滅茶苦茶です。
本作は現代のレンジャー部隊がモンハンの世界にワープしてしまうという設定です。
レンジャー部隊は近代兵器でモンスターと相対するのですが、近代兵器はまったく歯が立ちません。
しかし、銃やガトリングでは歯が立たないのに、大剣や双剣は簡単にモンスターを傷つけます。
また、何の説明もなく剣から炎が吹き出たりします。
さらに、ゲームのモンハンと違って、映画ではかなりグロ表現を強く押し出しています。
敵の腸(はらわた)がグチャグチャしてたり、皮をはがせば筋繊維が糸を引きながら伸びます。
リアルなのかファンタジーなのか、リアリティラインが滅茶苦茶で物語に没頭できません。
2.そもそもモンハンではない
モンハンの魅力とは何でしょうか?
個人的には、「モンスターを狩り、素材を集めて自身を強化し、より強いモンスターを狩る」、それこそがモンハンの魅力だと考えています。
絶望的な強さに手も足も出なかったモンスターに対して、装備を整え戦略を練り、そして倒す、それこそがモンハンの醍醐味です。
この映画にはそれがありません。
序盤から中盤までディアブロス(砂地に住む大型の怪物)を討伐することになるのですが、「あそこまで行けばロケットランチャーがあるから、それで倒せるかもしれない」といった展開があります。
ボクがもっとも呆れてしまったシーンです。
「モンスターを倒すのにロケットランチャーを利用する」、もうモンハンである意味がないです。
モンハンの名を冠せずに、レンジャー部隊が任務中に化け物と遭遇する別の映画にしてしまうべきでした。
どうすれば良かったのか?
そもそもレンジャー部隊など出さずに、モンハンの世界のみでストーリーを完結させるべきです。
新米ハンターが新大陸で腕を磨き、モンスターを狩り素材を集め、大型の強いモンスターを討伐して一人前のハンターとなる、こんな話で良かったのではないかと思います。
この映画は後半からモンスターの肉を焼いて食べたり、アイルー(ネコ型の獣人)が登場したり、ようやくモンハンらしさが出てきます。
しかし、もう遅いです、序盤からそうするべきです。
序盤からアイルーのような分かりやすいファンタジー生物を登場させておけば、この作品はファンタジーであることが印象付けられて、剣から炎を噴いたりしてもまだ受け入れられたのかもしれません。
「リアルなレンジャー部隊」、「リアルな近代兵器」、「リアルでグロい演出」、「火を噴くファンタジー武器」、「ファンタジー生物アイルー」を同列で出す、もうリアリティラインが滅茶苦茶です。
結局、設定からして失敗してるんですよね。
どう調理してもモンハンにならないんですよ、モンハンっぽい映画にしかなりません。
現代人がモンハンの世界でどうやって生き延びるか?ではなく、素直にハンターの活躍を見たかったです。
最後に良いところを挙げると、モンスターのCGとアクションは凄く良かったです。
モンスターの質感がリアルだし、襲い掛かってくる様は迫力満点です。
そして、ミラジョボビッチの演技はさすがだし、トニージャーのアクションも素晴らしかったです。
あんまり否定的なことは書きたくないのですが、モンハンファンの一人として正直に書きました。