ゲームで生き残る

伝わらない、理解されないという地獄「気のせいだ」感想、レビュー

 

1.「気のせいだ」ってどんなゲーム?

原因不明の不調を感じている主人公が、通院生活を続けながら、病の正体へと迫るゲームです。

Steamにて無料で配信されています。

 

操作はマウスだけで完結します。

その状況に応じたコマンドを選択してゲームを進めましょう。

30分ほどで終わる、小ぢんまりとした作品です。

 

2.どんな人におススメ?

・メッセージ性の強い作品を遊びたい方

・サクッと遊べる作品を探している方

 

3.良かったところ

・明確なメッセージ性

・作者のやりたいことが簡潔にゲームに落とし込まれている

 

4.ちょっと気になったところ

・ゲームとしての面白さは無い

しかし、ゲームとして面白いものではない、ことをゲーム内でも明記しているので、そういう作品だと割り切るべきです。

 

5.今からプレイする方へ

・なるべく一人で静かな時間にプレイすること

 

6.珠音真珠の感想

原因不明の不調に悩まされる主人公(ゲームの作者さん)が、通院生活を繰り返しながら病の正体を究明しようと奔走します。

 

病院に通っても、お医者さんからまともに相手をしてもらえません。

「気のせいだ」

本作のタイトルにもなっている言葉です。

いくら不調を訴えても、ちゃんと取り合ってもらえないのです。

 

正直に言えば、(本当にこんな扱いをするお医者さんがいるのか…?!)なんて思ってしまいますが、それは医療設備が整った日本で暮らしているからかもしれません。

もちろん、それはお医者さんだけの問題ではなく、その病気が極めて珍しく、発見が困難なものであるのなら、仕方のない面もあると思います。

 

仕事をしたり、休んだり、遊んだり、通院したり。

日常生活を送りながら、不調は何ひとつ解決しません。

ゲーム内では主人公のパラメータが表示されているのですが、どんどん数値が悪化するのが痛々しいです。

 

少し話はそれるのですが。。

自分はどちらかと言えば、弁が立つタイプだと思います。

自分の考えを他人に伝えたり、説得するのは得意です。

コミュニケーションにおいて、それほどストレスを感じることはありません。

 

しかし、世の中には話すのが苦手な方もいますよね。

ボクの勝手なイメージ(偏見)ですが、そういった方はいつも怒っているんですよね。

(また始まったか、いつも癇癪起こしてんな…)

半ば呆れながら見ていたりするわけですが…

 

自分の思っていることをうまく表現できない。

自分の考えが伝わらない。

自分の訴えを聞いてもらえない。

まともに相手をしてもらえない。

 

これって地獄ですよね。

おそらく、「自分の考えを言語化して伝える」ことがうまく出来ないゆえに、「怒りで訴えるしかない」のだと思います。

正しいか間違っているかはともかく、誰もが自分なりの理屈都合があります。

それを伝えることができない、聞いてもらえない。

ならば怒りに任せるしかないのでは。

 

大抵のことは、ちゃんと順序立てて論理的に説明すれば伝わると思います。

ボクはそうやって生きてきました。

しかし、もしそれが通用しなくなったら…

自分にそれができなくなってしまったら…

 

きっと、深い絶望と怒りに飲み込まれてしまうでしょう。

そんなことを考えてしまいました。

自分の話をまともに取り合ってもらえないというのは、想像するだけで恐ろしいです。

 

制作者さんである「npckc」さんのご快復を心よりお祈り申し上げます。

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