1.「カルィベーリ」ってどんなゲーム?

WOLF RPGエディターで作られた探索アドベンチャーゲームです。

広義的には雰囲気ゲーに属すると思います。

弟のために、食料を求めて無人のホテルを探索します。

追いかけっこなどのアクション要素はありません。

謎解きも優しめで、詰まることは無いと思います。

フリーゲームとして配信されています。

 

2.どんな人におススメ?

・雰囲気ゲーが好き

・鬱ゲーが好き

・美しいゲームが好き

・細部まで語られず考察の余地がある作品が好き

 

3.良かったところ

・ゲームの作り全般

※詳細は感想にて

 

4.ちょっと気になったところ

・とくになし

 

5.今からプレイする方へ

・静かな夜に一人でプレイすること

真っ昼間から友だちと遊ぶような作品ではない

 

6.珠音真珠の感想

面白かったです。

上品かつ上質な傑作です。

数多の似たようなアドベンチャーゲームのなかでも別格の出来だと思います。

 

ゲームの部分ですが、導線がお見事です。

自然と先に進めるように作られています。

しかも、わざとらしく調べられる部分を光らせたりしていません。

上品に作ってあります。

探索の楽しさもしっかり味わえます。

理不尽な謎解きなんてのは一切ありません。

上品かつ上質。完全にプロの仕事です。

 

環境音しか流れない仕様も素晴らしいです。

探索中に響くのは主人公の足音くらいです。

音の使い方からして、仰々しい演出は一切ありません。

ここも上品です。

 

本作は多くを語りません。

(こういうことがあったんじゃないかな…?)という程度に説明を留めています。

あちこちのオブジェクトを調べて、そこから断片的に情報を読み取るしかありません。

しかし、語るべきところはしっかりと語られています。

何を見せて何を見せないのか?

どこまで説明して、どこから突き放すのか?

その塩梅も素晴らしいバランスです。

 

最後に、本当に素晴らしいと思った仕様なのですが、ホテル内で電源を復旧させたときに、ランプを灯せるようになります。

このランプは、ゲーム的にはとくに意味がありません。

視界確保の役割を果たすなんてこともありません。

しかし、無人のホテルに明かりを灯すことが出来る、それだけで心が休まる感覚を得られます。

明かりが灯るなんてのは、日常において当たり前のことですが、非日常においてはそれだけで奇跡のように感じられます。

こういったところも、作り込んでいる部分が上手いんですよね。

ゲーム的には意味が無くても、プレイヤーの心に残ります。

 

上品かつ上質。

素晴らしい傑作です。

美しくも残酷な物語を、ぜひ体験してみてください。