映画で生き残る

上品で美しいが薄味すぎる…「LAMB ラム」感想 レビュー

目次

1.「LAMB ラム」ってどんな映画?

2.どんな人におススメ?

3.珠音真珠の感想

※楽しみを奪わない程度に少しだけネタバレを含む記事です。

 

1.「LAMB ラム」ってどんな映画?

羊飼いを営みとする夫婦。

ある日、飼っている羊から、頭が羊で身体が人間の子どもが産まれる。

羊でも人間でもない奇妙な子どもを夫婦は育てることを決意する…

そこまでグロい作品ではありませんが、羊の出産シーンなど生々しい描写があります。

ネイチャースリラーと銘打たれていますが、美しい自然をバックにしたホラー映画だと思ってくれれば良いです。

一見すると奇をてらった作品に見えるかもしれませんが、王道で分かりやすい話だと思います。

 

2.どんな人におススメ?

・美しい自然が見たい方

・台詞による説明が少ない映画が見たい方

・アーティスティックな作品が見たい方

 

3.珠音真珠の感想

よく出来ています。

上品で美しい映画です。

ただ、面白いか?という問いには素直に頷けないのが本音です。

個人的には好みではないタイプの作品ですね。

 

一見すると奇抜で独創的な作風に思われるかもしれませんが、意外に分かりやすく王道的な作品です。

つまり、起承転結や因果応報がハッキリとしているのです。

多少の考察要素はあれど、決してワケの分からない話ではありません。

 

本作の特徴として、極端に台詞が少ない作りをしています。

台詞によるストーリーの説明は、ほぼありません。

本作に対して、よく分からなかったという感想を抱く方は、この作りに感覚を合わせられなかった(もちろん視聴者に問題があると言いたいワケではないです)のだと思います。

 

たとえば、普通の映画では、羊人間の出産シーンにて…

「なんなの!?この子は!?」

「俺に聞かれても知るか!」

「でも…凄く可愛いわ…」

「あぁ、紛れもなく俺たちの子どもだ…」

「あぁ…なんてかわいらしいの…さっそく家に連れて帰らなくちゃ…」

このように台詞によって映画の展開を説明すると思います。

しかし、本作では台詞による説明が無く、淡々とシーンの切り替わりで物語が進行するのです。

 

ぶっちゃけ、本作は30分くらいに縮められるくらいのストーリーなんです。

良く言えば丁寧に、悪く言えば鈍重に、大自然をバックに、物語をゆっくりと進行させていきます。

本当に失礼ですが、これが映画館ではなく、配信やレンタルで鑑賞していたなら、間違いなく早送りしていました。

30分程度で描けるはずのストーリーを2時間に薄めて引き延ばしているような印象すら受けます。

 

ただ、これは好みの問題です。

ボクは映画というのは、ストーリー性やメッセージ性よりも、まず面白いことを優先させて欲しいと思うタイプです。

どんなに素晴らしいストーリーや崇高なメッセージが込められていたとしても、エンタメとして楽しめなければ傑作だとは思えません。

そんな感性を持ったボクからすると、本作は薄味で退屈過ぎます。

オチも何となく読めていたので、驚きというものは無かったですね。

 

良く出来ていることは充分に認めつつ、もっと面白さを追求して欲しい作品でした。

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