ポルノ映画の撮影で田舎に訪れたクルーが殺人老夫婦に襲われるホラー映画です。
・芸術性の高い映画が見たい方
・「悪魔のいけにえ」などのレトロな雰囲気の映画が見たい方
・グロい映画が好きな方
・心に残るホラーが見たい方
結論から、芸術性とメッセージ性が両立した素晴らしいホラー映画です。
「ポルノ映画の撮影で田舎に訪れたクルーが殺人老夫婦に襲われるホラー映画」
この一文を読めば、何となくどんな映画か想像できるかと思います。
「ボンクラの撮影クルーが下品なジョークを飛ばしながらポルノの撮影をしていたら惨劇に見舞われる」
きっとこのような絵面を想像したのではないでしょうか。
それは当たっているのですが、鑑賞者の印象は大きく異なると思います。
もっと芸術性が高く、メッセージ性も強い映画です。
性的なシーンも盛りだくさんですが、決して下品な映画ではないんです。
序盤から雰囲気に圧倒されます。
まるで「悪魔のいけにえ」のようなレトロな絵作りをしています。
ボクは文字通り、目が点になりました。
登場人物の服装、スタイル、画面のフィルター、チラつき、完璧です。
これらを大スクリーンで堪能できるのですから、この時点でお金を払って見に行った価値があります。
老夫婦が撮影クルーを襲う動機も、決して理解できないものではありません。
日々、イヤでも年齢を重ねていく人間であれば、誰でも理解できると思います。
思わず老夫婦の側を応援している自分がいました。
残酷過ぎるまでに残酷な現実を突きつけられます。
どんなホラーよりも恐ろしい現実がそこにはあるのです。
ホラー的な観点から言えば、非力な老夫婦の殺人戦術も見どころです。
旦那の方はかろうじて散弾銃を使えるのですが、奥さんの方はそうではありません。
まともに正面から戦えば絶対に勝てない相手に、どのように立ち回るのか?
色仕掛け、トラップ、もう最高です。
このような殺人戦術もフレッシュで爽快です。
さらに、容赦のないグロ描写や、老夫婦の不気味なビジュアルも相まって、めちゃくちゃ怖いです。
悪夢です。
ホラーとして押さえるべきところがしっかりと押さえられているんですね。
最後のCパート(エンドロール後)まで席を立ってはいけませんよ。
細部まで作り込まれています。
A24の快進撃が止まりませんね。
これまた2022年のベスト候補です。
最後に、パンフレットのデザインが素晴らしいことも書いておきたいです。
パンフレットまでレトロ調を表現しているのが芸が細かいです。
スレや傷が意図的にデザインに落とし込まれています。
おまけにムビチケと特典のステッカー