殺された弟の復讐のために、自ら少年院に入った主人公。
そこでは虐待や暴力が蔓延っていた。
弟を殺した犯人とは?
主人公は復讐を成し遂げることができるのか?
かなり胸糞映画です。
バイオレンス描写だけではなく、性的な虐待もあるので、苦手な方は要注意です。
・胸糞映画が好きな方
・ミステリーが好きな方
凄く惜しい作品だと思います。
批判的な意見が多くなりますが、決して駄作というわけではありません。
殺された弟の復讐のために少年院に飛び込んで、犯人を殺そうとする物語です。
しかし、物語後半まで犯人も定かではありませんし、後出しで次々と真相が明らかになるので、単純な復讐譚というわけではありません。
どちらかと言えば、復讐譚というより胸糞ミステリーという感じです。
まず、本作に圧倒的に足りないのは「気持ち良さ」です。
主人公には、例によってさまざまな受難が降りかかるのですが、それを解決して真犯人に近付いて行くような気持ち良さが全然無いんですよ。
ずっと胸糞展開ばかりが続きます。
復讐のために少年院に入ったのに、あまりに主人公が無計画です。
復讐という目的はあっても、計画が無いのです。
序盤から、犯人と思われる人物にいきなり殴りかかります。
その結果、院内での主人公の立場は悪くなり、さらに復讐から遠のいてしまいます。
さらに、主人公が受け身過ぎるんですよね。
自ら策を巡らして、犯人を特定したり、降りかかる問題を解決するような姿勢がありません。
ずっと場当たり的に物語が進んで行き、後出しで真相が明かされていきます。
この構造では物語にも主人公にもノレません。
主人公に物語に対する推進力が無さ過ぎます。
バイオレンス描写や、性的な虐待描写も、とてもスリリングですが、鑑賞しているうちに気付いてしまいます。
(実はぜんぜん話が進んで無くね…?)と。
ストーリーをバイオレンス描写で薄めて引き伸ばしているような印象さえ受けます。
本作は130分と長尺の映画ですが、明らかに長過ぎます。
1時間くらいは縮められると思います。
ストーリーは悪くないです。
本作で取り上げているテーマも興味深いです。
たとえば、どんな善人であっても人間の性には逆らえない、そもそも根本的な原因は貧困などの環境にあるのではないか?などなど。
俳優陣の演技も本当に素晴らしいです。
バイオレンス描写も不快指数MAXでした。(もちろん褒め言葉)
ただ、見せ方が良くなかったですね。
バイオレンスや胸糞な部分を前面に押し出し過ぎです。
物語の芯にもっと焦点を当てるべき作品でした。
バイオレンスや胸糞は、あくまでスパイス程度に留めておけば、もっと良い作品となったのではないでしょうか。
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