ポルノサイトで性的な配信をしてお金を稼ぐ主人公。
ある日、ラバーボーイと名乗るハンドルネームの男からメッセージが届く。
些細なことから、ラバーボーイの気分を害してしまった主人公は惨劇に巻き込まれることとなる。
スラッシャー映画です。
ゴア表現も豊富です。
性的なシーンも多いので鑑賞するシチュエーションには注意しましょう。
昼間から家族で見るタイプの映画ではないです。
ちなみにラバーボーイとは「Lover Boy」(この映画で言うところの”イケメン”の意味)のことです。
ゴムの「Rubber」ではありません。
・スラッシャー映画のケレン味が大好きな方
・非モテなどのテーマが好きな方
豊富なゴア表現。
フレッシュな殺害方法。
綺麗なお姉さんがおっぱい丸出しで出てくる。
スラッシャー映画の持つケレン味を存分に押し出しつつも、テーマは現代的でもあります。
人を選ぶけれど、なかなかの良作だと思います。
ポルノサイトで性的なサービスを配信する主人公が、ラバーボーイと名乗るヤバい男に目を付けられることから惨劇が始まります。
このポルノサイトですが、チャットで客のリクエストに応えることで成立しています。
「おっぱいを見せて欲しい」
「パンツを脱いで欲しい」
などなど。
配信する側からすれば、客と直接会わなくても良いので安全が保証されます。
客側からすれば、リクエストを送ったり、コミュニケーションが取れるので、配信者との繋がりが感じられて心が満たされるようです。
(やり口がほぼVTuberじゃねぇか!!)と思ったのは内緒にしておかなければなりませんね。
殺人鬼側のラバーボーイですが、幼少期に性的なイジメに遭っています。
近所の女の子に追い回された挙げ句、性器を露出させられ「小さい、ドングリみたい」と笑われてしまうのです。
その怒りから女の子を殺害してしまいます。
そんな過去を持っています。
性器の小ささを笑われる。
傍からみれば笑い話ですが、本人からすれば笑い話では済まされませんよね。
人間である以上、何が地雷なのか分かりません。
何が琴線に触れるのか分かりません。
ましてや、性的なものが絡むならなおさらです。
ポルノサイトのチャットでこじれて惨劇に発展する。
何だか現代的ですよね。いかにも実際に起こりそうです。
ラバーボーイのビジュアルも雰囲気も凄く良いです(もちろん役者さんの演技も)。
見た目はそこまで不細工では無いのですが、身に纏う雰囲気が非モテのソレなんです。
どんよりしていて、何を考えているのか分からない、気味が悪い。
もし陽キャだったら人気者にもなれるし、モテると思います。
でも、性格が、性質が、そうではない。
このあたりの描き方もリアルでとても良いです。
爪が黒ずんでいて、清潔感が無いのも凄く細かな演出で素晴らしいです。
ラバーボーイがポルノを配信しているガールハウスを襲撃するシーンは圧巻です。
警備員たちを蹴散らし、セキュリティを突破し制圧する。
肉体的にも強いし、デジタルツールも使いこなすのです。
まさに「仕事が出来る男」です。
さきほど、爪が黒ずんでいることを書きましたが、それは仕事人の手でもあるのです。
さらに素晴らしいのが、襲撃時のラバーボーイのビジュアルです。
ロン毛の女のマスクを被ります。
まるでJホラーのような雰囲気もありつつ、悪魔のいけにえのレザーフェイスのようにも見えます。
服装も完璧で、ポケットにさまざまな工具を刺した作業服(つなぎ)です。
武器も銃なんて野暮なものは使いません。
手に持つのは工具箱です。
必殺仕事人です。素晴らしい。
バールを使って女の子をサウナ室に閉じ込めて蒸し殺そうとしたり、大人のおもちゃを口に突っ込んで窒息死させたり。
そのときの状況に合わせた環境利用闘法、そして本作ならではのポルノ殺法も炸裂します。
殺り口もなかなかフレッシュなんです。
レザーフェイスではありませんが、やはり腹が出た大男が襲ってくるのは恐ろしいです。
動ける大男ほど恐いものはありません。
ボクは結構好きな作品ですね。
人を選ぶのは否めませんが、スラッシャー映画の持つケレン味と現代的なテーマが合わさった良作だと思います。




