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これこそが、シン・真・仮面ライダーなのでは?「THE FLY」感想 レビュー

 

1.「THE FLY」(ザ・フライ)ってどんな映画?

実験による事故により、蝿の遺伝子を組み込まれてしまった人間の悲劇を描く作品です。

「ハエ男の恐怖」という作品のリメイクとなっていますが、原作は未鑑賞なのでここでは触れません。

1986年のアメリカ映画です。

かなり古い作品ですが、今見ても古臭さは感じません。

それどころか、当時にしてはハイクオリティ過ぎる特撮技術を堪能できます。

「遊星からの物体X」のような作品が好きな方は、絶対に気に入ると思います。

 

非常にグロテスクです。

ゴア表現が豊富なのもありますが、精神的にもヤラれる気持ち悪さです。

モロに食欲が無くなるようなグロさです。

人間が人間で無くなっていくおぞましさをたっぷり堪能できます。

 

2.どんな人におススメ?

・グロテスクな作品が見たい方

・SFが好きな方

・人体実験や、人と生物の融合などのテーマが好きな方

・特撮が好きな方

 

3.珠音真珠の感想

本作を鑑賞するのは、3度目になります。

それくらいボクは「THE FLY」が大好きなんですよね。

 

ストーリーや特撮技術を堪能できるのはもちろんとして、

ボクにとって本作は仮面ライダーに近いものがあると思っています。

 

人間と虫の遺伝子を結合して、仮面ライダーみたいに格好良くなるわけないだろ?

真の改造人間ってこういう感じになるんじゃないか?

 

そんな思いを映像化してくれているのが本作なのです。

(一応断っておきますが、ボクは仮面ライダーが大好きです。仮面ライダーに対する批判ではありません)

 

主人公である天才科学者が物体の転送装置(テレポート)を発明したのが本作の始まりです。

物体のデータをコンピュータに取り込んで、転送先でデータを復元するのです。

しかし、その転送装置には問題がありました。

単純な物体であれば転送可能なものの、生き物はデータが複雑過ぎて処理できません。

試しに猿(狒々)を転送してみると、身体の皮膚が裏返った状態で復元されてしまいます。

絵面的にもグロテスクでショッキングな場面です。

 

試行錯誤の末に、転送装置に改良を加えて、ついに生き物の転送も可能となりました。

そんな折、恋人との諍(いさか)いでイライラしていた主人公は、酒の勢いも手伝って、自身で転送装置の実験をします。

その実験の最中に、転送装置にハエが入り込み、主人公は遺伝子ごとハエと結合してしまいます。

 

そこから主人公はどんどん変態を遂げるのですが、もうグロいなんてもんじゃありません。

顔中が吹き出物だらけになるのは序の口として、粘液をしたたらせながら手の爪を剥がしたり、血を吐きながら歯が抜けたりします。

痛々しくて見ていられないのですが、この時代のグロさってやっぱ最高です。

 

性格も浮き沈みが激しくなり、やたらと攻撃的になります。

身体能力もオリンピック選手顔負けどころか、もう怪人の域です。

性にも強くなり、性欲が爆発します。

 

ハエ人間に近づくに連れての演技がまた素晴らしいんです。

ピクピクと小刻みに顔を左右に動かして、動きが完全にハエです。

 

攻撃方法も殴ったりするのではなく、口から溶解液を吐き出すというのが良いですね。

食欲が無くなるので、ダイエット中の方にもオススメです。

 

完全変態したときの特撮も最高なんです。

顔が左右に割れて、目玉がボトリと落ちる、非常にインパクトのあるシーンですが、細かな作り込みに感動します。

 

エンディングの切れ味の良さも完璧です。

切ないラストのあとは、余韻に浸る間も無く、スパッと終わります。

この切れ味はもっと評価されるべきです。

 

ボクにとってのシン仮面ライダーはこっちなんです。

文句なしの大傑作です。

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