※ネタバレ全開で語ります。未プレイの方は注意。
エルデンリングのDLCをクリアしました。
全ボス撃破済みです。
前情報として、
DLC突入時にレベルは140。
ラスボス撃破時にレベルは175。
影樹の加護は13。
霊灰の加護は7。
ラスボス撃破までは攻略情報を見ていない。
ラスボス撃破後に攻略情報を見ながら取り逃しアイテムを回収しつつ全ボスを撃破。
とくに縛りプレイのようなものはしていない。
出血ビルドで遺灰も使う。
このようなプレイスタイルでクリアしました。
DLCをクリアした率直な感想としては「面白かった」ですが…
不満点も多くあります。
きっとフロム信者が褒め称えるような記事を山ほど書くと思うので、あえて不満点をピックします。
最初に少しだけ言わせて欲しいです。
ボクもフロム信者の一人です。
PS3で「デモンズソウル」が発売されたときからフロムのファンボーイです。
とくに「隻狼」と「ブラッドボーン」が大好きで、トロコンするほどやり込んでいます。
エルデンリングのDLCも予約購入し、発売日から夢中で遊んでいます。
だからこそです。
自分がフロム信者であるからこそ、(ミケラを崇めるレダのように)盲目で崇拝するのは止めて本音を語るべきだと思っています。
前置きが長くなりましたが、ここから不満点を3つに分けて語ります。
1.「フロムの抱えるジレンマが臨界点に達している」
戦うよりも逃げた方が早い。
敵を強くし、敵のモーションを作り込むほど、まともに相手をしていられなくなる。
昨今のフロムゲーが抱えるジレンマだと個人的に考えています。
誰もが「アイテムだけ回収して逃げ回る」ようなプレイをしたことがあると思います。
エルデンリングでは霊馬であるトレントの存在も手伝って、無理やり敵陣を突破してアイテムだけ回収するプレイが捗ります。
ボクはエルデンリングでずっとそのようなプレイをしています。
だって、まともに相手にしていられないですもん。
とくにDLCは道中の雑魚敵ですら、ガチガチにモーションが作り込まれ、高火力でぶん殴ってきます。
エルデンリングのDLCに不満のある方のほとんどが、あまりに高すぎる難易度を挙げると思います。
しかし、問題の本質は難易度ではなく、「まともにプレイする意欲を削がれる」ことではないでしょうか。
戦闘における「遺灰」も問題です。
まともに戦うよりも、遺灰にヘイトを向けさせて後ろから斬りかかるような戦い方の方が捗ります。
遺灰を使った戦い方は「くだらない」とさえ思います。
そもそも、「遺灰があるから良いでしょ」と言わんばかりの大雑把な強さが目立ちます。
「だったら使わなければ良い」というのが正論ですが、別に縛りプレイをしたいわけではありません。
勝つために持ちうる手札をすべてぶつけたい、と思うのはゲーマーとして当たり前の感覚ではないでしょうか。
正々堂々と戦うために縛りプレイをする、というのはゲームの作りとしておかしいです。
エルデンリングはとてもRPG色が強く、自分の好きなビルドで遊ぶことが出来ます。
武器、魔法、祈祷、戦技(戦灰)、どれも無数にあります。
合法的なチートビルドを組むことも可能です。
(個人的に、遺灰は合法的なチート戦術だと思っている)
「攻略の幅が広い」
間違いなく良いことではありますが、それに伴ってゲームバランスも崩壊しています。
それが顕著に表れているのがDLCです。
あらゆる食材をごちゃ混ぜにぶち込んだ闇鍋のようなゲームバランスです。
インフレも酷いしメチャクチャです。
作り込むほどにまともに相手をしていられなくなる。
フロムの抱えるジレンマが臨界点を迎えています。
余談ですが、初めてエルデンリングをプレイし「忌み鬼マルギット」と戦ったときは神ゲーを確信しました。
序盤から、こんなに作り込まれた強いボスと戦えるなんて、この先どんなに素晴らしい敵が待ち構えているのだろう?
結果的に、後半のヤケクソとも言えるゲームバランスに胸焼けすることになるのですが…
2.「こいつら何を言っているんだ…?何だったんだ…?」
NPCのフラグ管理が雑です。
どうせ攻略サイト見るんでしょ?と言わんばかりのフラグ管理です。
これはエルデンリングに限った話ではなく、ソウルシリーズも含めてフロムゲーあるあるです。
しかし、今回のDLCはとくに酷かったです。
ボクはラスボスであるラダーンを倒すまで攻略サイトを見ませんでした。
その結果、まともにイベントを完遂できたのは「エーゴン」(ベールに心折られた竜狩りのおじさん)だけです。
(そもそもエーゴンのイベントはフラグ管理など無いのだが)
いったい何を言っているんだこいつらは…???
そう思いながらゲームを進めていたら、いつのまにか敵対したり、みんな死んでしまいました。
いったい何だったんだこいつらは…???
ラダーンを倒したあとに攻略サイトを見ました。
フラグが折れるのが早すぎませんか?
ボクはメスメルを倒したあとに「神獣獅子舞」を倒しました。
普通にプレイしていたら、そのような順番になったんです。
神獣獅子舞がいるマップには「角人の老婆」というNPCがいます。
このNPCが話しかけても反応が無いんですよ。
でも、老婆のいる部屋を見回して気付いたんです。
獅子舞を被れば良いのでは?
でも獅子舞を被っても何も反応がありません。
へそ曲がりのフロムのことだから、そんな安直なわけはないか…
じゃあ、「神獣の兜」なのか?
じゃあ、「インプの頭(獅子)」なのか?
老婆っていうから「翁の面」なのか?
どれも違う。
きっとフラグが立っていないのだ。
それからボスを倒したり、ゲームを進めるたびに老婆を訪れましたが変化がありません。
いよいよラダーンを倒しても変化がありません。
後に攻略サイトを見て知ったのですが、メスメルを倒す前に獅子舞を被って話しかける必要がありました。
フラグが折れるのが早すぎませんか?
角人の老婆はともかく…
NPCのフラグ管理が面倒なのは伝統です。
隠しルートや隠しイベントのフラグの管理を難しくするのは分かります。
しかし、主要のキャラくらいは自然にストーリーを追える程度のフラグにして欲しいです。
こいつらは何を言っているんだ…?
こいつらは何だったんだ…?
ただでさえ考察要素が豊富で、難解な設定を持つゲームなのだから、NPCのイベントくらいは素直に楽しませて欲しいです。
探索していたらフラグが折れまくるって意味が分からないですよ。
どれだけ練り込まれたキャラも、プレイヤーに情報を与えなければ、ただの人形であり、記号でしかありません。
3.「兄様って、そっちかい」
DLCのラスボスは※全盛期のラダーン(とミケラ)です。
※(厳密には全盛期ではなく若い頃のラダーンであり、素体がモーグである。そもそも全盛期はいつなのか?という疑問を持つと話がまとまらなくなるので便宜的に全盛期とする)
フロムの作る作品で、全盛期の敵キャラが出るのは珍しいことです。
「かつて伝説的な強さで名を馳せていたが現在は…」というような設定の敵キャラが多いです。
ラダーンもその一人ですね。
全盛期のラダーンと戦える。
エルデンリングプレイヤーはたまらないでしょう。
ただ…
ボクは「ゴッドウィン」が掘り下げられて欲しかったです。
ミケラの言う「兄様」ってゴッドウィンだったのでは…
兄様ってそっちかい。
すべてを理解しているわけではありませんが、DLC全体を通して思ったのが、意外と卑近な話だったということです。
登場人物が全員「人間くさすぎる」のです。
神人であるミケラも例外ではありません。
しかし、それは決して悪いことではありません。
神話ベースでありながら、実質人間ドラマというのは創作物ではありがちなことです。
問題は「指の母メーテール」です。
「大いなる意思」の受信装置であり、送られた情報を二本指たちに伝える役目を担っているのですが、それが壊れていました。
物語の根幹が崩れる設定ですよ。
エルデンリングそのものが壮大なコントに見えるほど重要な問題だと思います。
本当に良いのか?これ?
ともかく、、
ボクはゴッドウィンが見たかったです…
ゴッドウィンと戦いたかった…
ゴッドウィンを掘り下げて欲しかった…
ミケラとラダーンも魅力的だけど、
何だか物語が矮小化されてしまった(とくに母の指メーテール)気がしないでもありません。
ストーリーは、個人的な好みなのでここまでとします。
最後に、、
文句ばかり言いましたが、それでもDLCは神ゲーの領域にあります。
ここまで語ることが多い作品が駄作などありえません。
断言します。神ゲーです。
本編も含めて、エルデンリングはゲーム史に刻まれ続ける作品です。
それと、DLCが難し過ぎるという意見を「お前が下手くそなだけ」と揶揄するような信者に耳を傾ける必要はありません。
どのような感想を抱こうとも、個人の自由です。
他人がとやかく言うことではありません。
難し過ぎるという意見は至極真っ当です。
(実際にフロムは難易度緩和とも言えるパッチを早々に配信している)
クリアした上で言わせてもらうのなら、
「理不尽や調整不足な部分を物量で誤魔化している」のも事実だと思います。
おまけ
ボニの牢獄でバグりました
ミケラの魅了(一回目)を受けたときに、最後まで体力を削ったと思ったら倒しきれていなくて負けました。
だから、魅了を受けるとラダーンを倒せなくなる効果があるのだと勘違いしていました。
実際には魅了を二回受けると即死します。