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「近畿霊務局 – Kinki Spiritual Affairs Bureau」感想、レビュー

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1.「近畿霊務局 – Kinki Spiritual Affairs Bureau」ってどんなゲーム?

TPSホラーアクションゲームです。

銃器や鈍器を使って違法幽霊たちを撃退しましょう。

トレーラーを見ると、バカゲーに見えるかもしれませんが全然違います。

そういう意味ではトレーラー詐欺と言えるかもしれません。

ストーリーもゲームも、極めてハードな作品です。

スケアジャンプがあります。

流血表現も豊富です。

 

2.どんな人におススメ?

・ハードな作品がプレイしたい方

・社会問題を取り上げた作品がプレイしたい方

 

3.良かったところ

・独特の世界観

・社会問題を作品に落とし込んでいるところ

・遊び心がある

4.ちょっと気になったところ

・ゲーム部分の作りが荒い

・会話のテンポが悪い

 

5.今からプレイする方へ

・設定から「明るさ」をマックスにする

・ゲームに自信のない方は難易度を下げて始めた方が良い

・戦闘では無理に突っ込まず、弾薬補給地点からチマチマと倒した方が楽

・神社では全員の巫女に話しかけた方が良い

世界観が補強されます。

 

6.珠音真珠の感想

幽霊相手に暴力で解決する。

幽霊に物理でやり返せる。

トレーラーを見る限りでは、「押切蓮介」先生の「でろでろ」のようなものを想像するかもしれませんが、実際は全然違います。

バカゲーチックなノリは序盤だけで、ゴリゴリにハードな物語が展開されます。

 

一見すると、ふざけたように見える違法幽霊も、凶悪な部分がちゃんと強調されています。

ガチで胸糞な描写もあります。

(コイツらは生かしちゃおけねぇ!!)とプレイヤーに思わせてくれます。

 

本作の魅力はストーリーにあると思います。

そもそも違法幽霊とはどういった存在なのか?

なぜ違法幽霊が大量に出現したのか?

現実にある社会問題を取り上げているのも興味深いところです。

 

設定も面白いです。

主人公がセーラー服を着ている理由や、モブ巫女が全員同じ格好をしている理由など。

ゲーム的な都合まで設定に落とし込んでいます。

 

グラフィックは格段キレイなわけではありませんが、デザインに遊び心があります。

細部まで作り込まれたデザインのものを、見える位置に目立つ形で配置しているのは上手いですよね。

 

ゲームの部分ですが、近接戦闘、ドンパチTPS、ステルスプレイなど、そのステージによって毛色を変えるのが楽しいです。

ただ、作りはかなり荒いですね。

強力な攻撃手段であるグレネードですが、狙ったところに投げられないのは明らかに駄目な部分です。

全体的に操作性が悪いし、攻撃の判定も曖昧です。

敵の弾はとんでも判定で飛んでくるのに、こちらはちゃんと射線を確保しないと射撃できません。

障害物を眼の前にすると、銃を構えることすら出来なくなります。

変な部分で作りが渋い(妙にリアル)ですよね。

近接戦闘も、どこに判定があるのか分かりづらいです。

カメラ角度も悪いです。

とくに大量の敵と戦う場面では、視認性が悪すぎて何が起こっているのか分かりません。

敵は何も無い空間から突然湧き出すので、急に背後から撃たれたりします。

理不尽ゲーの領域に足を踏み入れていると思います。

ゲームの腕に自信の無い方は難易度を下げて遊んだ方が良いです。

 

会話のテンポの悪さも気になります。

テキストが表示されたあとに、変なウェイトタイムがあるのです。

数秒待たされたあとに、ようやく操作できるようになって、次の会話に進むことが出来ます。

 

良い部分も沢山あるのですが、悪い部分も目立つタイプの作品です。

また、制作者さんの我が前面に押し出されている部分も人を選びそうです。

しかし、個人的には十分良作だと思います。

現実の社会問題を絡めたハードなストーリーは一見の価値アリです。










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