ゴア表現全開、悪趣味全開の台湾産のスプラッターホラーです。
突如、人間の性欲や暴力性を浮き彫りにするウイルスが蔓延した世界で、主人公カップルが生き残ろうとサヴァイブします。
グロいのが苦手な方や、痛々しい描写が苦手な方は閲覧注意です。
本気でおススメしません。
さらに、性的な暴力描写もあるので、苦手な方は鑑賞しない方が良いでしょう。
これらのPVを見て無理と思ったなら、絶対に見ない方が良いと思います。
・グロテスクな血みどろスプラッターが見たい方
・刺激の欲しい方
・凌辱などの胸糞に耐性のある方
久々にヤバい映画を見たという感じです。
鑑賞後にメシでも食って帰ろうと思いましたが、見事に断念するほど胸糞かつグロテスクな作品でした。
最初に誤解されそうなところを指摘しておくと…本作はゾンビものではありません。
新型ウイルスが蔓延し、パンデミックが起こるのは他のジャンル映画と同じ流れを踏襲しています。
しかし、本作のウイルスは「人々の暴力性や性欲が浮き彫りとなる」という作用があるのです。
しかも感染者には自我が残っています。
ゾンビではないですし、SIRENの屍人とも違う、アイアムアヒーローのZQNとも違う。
この設定はフレッシュで楽しいところです。
今回改めて思ったのですが、やっぱりアジア人って怖いですね。
バイオハザードやウォーキングデッドなどを見ても思うのですが、西洋人がゾンビになったり暴動的なことを起こしても、非現実感があり、ファンタジーに感じられてしまうんですよね。
対して、本作では台湾が舞台のこともあり、(やや顔立ちは違うが)同じアジア人として、ビジュアル的に生々しさがあるんですよ。
電車での大虐殺シーン(↑に貼り付けたPVでも少し見れる)なんて、本気で怖いですもん。
無敵の人、ジョーカーなどと揶揄されて、一般人が事件を起こすのが珍しくない昨今では、本当に笑えないほどの迫力がありました。
人間が人間であることを捨てて、己の欲望のままに動き出したらどうなるのか?
これは普遍的な興味深いテーマであり、もっとも恐ろしい想像ではないでしょうか。
本作がその恐ろしさをこれでもかと見せつけてくれます。
これを劇場で大スクリーンで見られたのは本当に良かったですね。
本作はあくまで創作物なので、不謹慎を承知で言わせてもらいますが、見てて楽しい映画でもあるんですよ。
(おぉ!そこまでやってくれるのか!さすが18禁!)と刺激に飢えた映画好きを興奮されるに充分なクオリティです。
時折、挿入されるギャグシーンも、本当に悲惨な状況だからこそ笑えるんです。
ただ、個人的にオチは好きではありませんでした。
ここは気持ちの良いまま終わって欲しかったですね。
ですが、ある意味ではタイトル回収(THE SADNESS)にもなっているので、何とも言えません…
スプラッターホラー好きであれば、かならずチェックするべき作品です。
「呪詛」といい、「哭悲」といい、映画界では台湾がホットですね。