賞金稼ぎのリリスは、娘を取り戻して欲しいとの依頼を受け、自らの故郷であるパンドラに赴く。
混沌が支配する惑星パンドラを舞台に、寄せ集めチームの大冒険が始まる。
ハクスラFPSゲームを原作とした作品です。
・テンポが良く、頭空っぽで見られるポップコーンムービーが見たい方
正直に言うと、本作の酷評は鑑賞前から知っていました。
普段から新作映画に対するアンテナを張っているので、酷評も自然と目にしてしまうのです。
結論から、
ゲームファンにとっては「微妙」。
ゲームファンでない人にとっては「展開が早すぎてワケのわからない映画」。
このようになっていると思います。
良くも悪くもテンポが異常に早く、情報の咀嚼が出来ないままに物語が進行します。
(このキャラってどういう立ち位置なの?)
(パンドラ?ヴォルト?サイコ?セイレーン?何のこと?)
原作ファンですらテンポが早すぎると感じます。
原作を知らない人は、おそらく置いてけぼりをくらうでしょう。
ボクは原作ゲームのファンなので、ゲームファンとしての目線で感想を書きます。
記事の上でも貼り付けましたが、PVを見てください↓
(すげぇ!めっちゃボーダーランズじゃん!)と思いませんでしたか?
ボクは思いました。
本作は、別にPV詐欺じゃないんですよ。
本編でもPVの雰囲気のままです。
ただ、実際に本編を鑑賞していると、ゲームファンが求めているものから少しズレているんです。
それが積み重なり、「微妙」という評価になるんです。
登場キャラクターが「常識人」過ぎます。
主人公リリス、ローランド(1と2の主人公)、タイニーティナ、クリーグ(2のDLCキャラのサイコ)、タニス、クラップトラップ。
これらがパーティーメンバーです。
濃いメンツですよね。ボダランファンはニヤニヤすると思います。
本作では全員常識人です。
あのタイニーティナですら普通の女の子です。
クリーグもただの気の良いアンチャンです。
クラップトラップは相変わらずウザカワイイですが、みんな世界平和について話し合えるんじゃないかと思えるくらいに普通の感性を持っています。
ぶっ飛んだモラル、ぶっ飛んだ死生観、制御不可能、そんなボダランキャラが持つ特徴が消えています。
言語化するのは難しいですが、「マジモンの基地外」と「ファッション基地外」の違いとでも言うべきか、表面的で薄っぺらいんですよね。
(こいつらヤバいだろ~?)
(イカれてるだろ~?)
(ぶっ飛んでるだろ~?)
そんな演出やキャラ付けは見せてくれるのですが。。。
自分をサイコパスだと言う人間はサイコパスではない、のと同じように、記号的で安っぽいのです。
PVでは高い再現度のキャラクターたちも、見ているうちにコスプレにしか見えなくなってきます。
悪い意味で「まともな映画」として作り過ぎです。
自分は、原作至上主義ではありません。
いちいち原作との違いを取り上げて指摘するような真似はしません。
「アンチャーテッド」の映画化の際には絶賛しました。
アンチャーテッドのレビュー記事↓
それは、原作の良さを大事にしつつ映画ナイズされているからです。
本作は、原作の良さが殺されている上に、表面的な部分しかなぞっていないのです。
ボーダーランズっぽい何かであって、ボーダーランズでは無いんですよね。
(どういう構造になってるんだ…?)とツッコむ気も失せる、とんでも武器での銃撃戦をもっと見たかったし、、、
「◯◯で△△を倒したらめちゃくちゃ強い武器が手に入った!その武器でヒャッハー!」
これを絶対に入れるべきだったと思います。
ラップトラップが階段を登れないネタを見れたのは嬉しかったですが、、、
映画を見終わった後だと(これを入れとけば原作ファンは嬉しいでしょ~?)というような、浅はかなオタクへの目配せにしか感じられなくなります(邪推)。
あとは、全体的に緊張感が無く、(どうせ何とかなるんでしょ…?)となってしまうところも気になります。
絵面は派手だしお金が掛かっているのも分かるのですが、見ている側は退屈に感じてしまうのです。
最後に。
散々酷評しましたが、メチャクチャな駄作というわけでも無いです。
こんなの見れたもんじゃない!というレベルの作品では無いです。
原作ファンとしてのフィルターを外し、純粋な映画として見るなら50点くらいです。
原作ファンのフィルターを通して30点くらいになります。
イーライ・ロス監督、お疲れ様でした。
ついでに、ゲーム新作のボーダーランズ4も絶対にプレイします。
1分4秒~のタイトル表記のカタカナのロゴが最高にダサいぜ!