5つの短編が収録されたサウンドノベルゲームです。
一部のシナリオには謎解きや選択肢による攻略要素がありますが、基本的には読み進めて行くだけでクリアできるゲームです。
各シナリオは20分程度で読み終わります。
・サクッと読めるサウンドノベルを楽しみたい方
・フリーのサウンドノベルや昔のチュンソフトのサウンドノベルが好きな方
・全体的にエモい
(絵柄、雰囲気、キャラデザインなどなど、昔のチュンソフトや、フリーのサウンドノベルをプレイしていた頃を思い出します)
・中国の文化を知らなくても、作中で注釈があるところ
・全てのシナリオが粒ぞろい
・とくにありませんが人によっては全体的にチープに感じられるかもしれません
(しかし、そのチープさがエモいし、おじにはたまらないのです)
・好きなシナリオをどの順番でプレイしても構いません
・ゲーム中でも注意が表示されますが「鼠人」というシナリオをプレイするときはメモ帳(あるいはスマホ)を用意すると良いです
中国で開発されたサウンドノベルゲームが本作である「湖心亭奇談集」です。
5つの短編が収録されていますが、好きな順番でプレイしても大丈夫です。
※以下、簡単に各シナリオの解説
1.夜半の夏・地下鉄にて
切なく甘酸っぱい(科学風)SFシナリオ
ヒロインのデザインがエモい
2.鏡像空間
かつてのチュンソフト(明らかに影響を受けているのがスクショからも見て取れる)を思わせるSFホラー
マニアックなことを言えば、「小林泰三」の小説が好きな人は絶対に好きだと思います
3.幽霊塔
ファンタジックなラノベ風のお化け屋敷ホラー(ただしまったく怖くはない)
やっぱりキャラのデザインがエモい
マジでたまらんです。
萌えとかじゃないんです。
この空気感を持った作品(しかも中国産)を現代の夏にプレイできるだけでボクは幸せです。
4.鼠人
シチュエーションスリラー
いわゆる脱出物
このシナリオだけ毛色が違って攻略要素があります
メモ帳かスマホを用意しながらプレイすると良いです
オチも含めて、このシナリオが一番面白かったですね。
5.相思橋
心を病んだ少女の再生物語
気持ち良く読めるボーイミーツガール
そして、やっぱりキャラのデザインがエモい
どのシナリオも粒ぞろいで、人それぞれ好みがあれど、必ず気に入るシナリオがあるはずです。
好印象なのが、中国の文化に詳しくなくとも、丁寧に解説が付いていることです。
これは嬉しいですね!
没入感が削がれることなく物語に集中できます。
何より、書き手によるストーリーを楽しんで欲しいという強い意思を感じられるんですよ。
ニコニコ動画やら、フラッシュゲームやら、フリーゲームやら、ツクールやら、あの頃の雰囲気を感じさせる作品なんですよね。
懐かしい匂いのする良質なサウンドノベルゲームでした。
おじのツボを押さえた良作です。