「フローレンス・ヨー」という女性の失意と再生を追体験するゲームです。
マウスを使用したポイント&クリックでストーリーを進行させます。
ストーリー重視の雰囲気ゲーにあたると思います。
プレイヤーは簡単なパズルを解くだけなので、ゲームに不慣れな方も問題なくプレイできる作品です。
・良質な雰囲気ゲーが遊びたい方
・感動したい方
・30代以降の方
・一風変わったゲームが遊びたい方
・サクッと遊べるゲームが遊びたい方
初見でも30分前後でクリアできると思います。
・雰囲気づくりが素晴らしい
・音楽が素晴らしい
・作品とマッチしていながら雰囲気を壊さないゲーム性
・主人公が立ち直るのがやや早すぎる(あっさりし過ぎ)と感じてしまった
・一人っきりの環境でプレイすること
最初に告白します。
ボクはこのゲームをプレイしてガチ泣きしました。
本作は、「フローレンス・ヨー」という女性の人生を追体験するゲームです。
「幼少期~学生時代」、「社会人としての生活」、「恋人との甘い日々と別れ」それらをゲームを通して体験します。
本作には素晴らしい点がいくつもあるのですが、とくに良かったのが、ゲーム性が作品の雰囲気と極めてマッチしている点です。
プレイヤーはマウスを操作しながら、簡単なパズルを解いたり、ポイント&クリックしながらゲームを進めます。
そのなかでも、ボクがとくに鳥肌が立った演出を紹介します。
この場面では、プレイヤーは時計の針をクリックして、時計をグルグルと回します。
そうすると、ゲーム内での時間が進むという仕掛けです。
仕掛けが面白いのはもちろんですが、時間(年齢)が進むにつれて、寄り添っていた友だちが別々の方向へ目を向け、バラバラになっていく様子が描写されます。
そして最終的には主人公一人となってしまいます。
これはゲームの序盤です。
もうこの時点でボクは心が痛くなると同時に、ゲームに夢中になっていました。
ともかく、雰囲気づくりが抜群に上手いんです。
エモいです。切ないです。おじのボクは涙腺が死にます。
おそらく30代以降の人間がプレイしたなら(こんなこともあったなぁ)と自然と涙が頬を伝うことでしょう。
しかし、別に泣かせようとしているわけではないんです。
本作はドラマチックで衝撃的な展開なんてありません。
淡々と静的に物語が進みます。
これは、つまりあなたの物語でもあるということを意味します。
特別な物語なんかではありません。
誰にでも起こりうることです。
そんな特別じゃない平凡で誰にでも起こりうることで、これだけ感情を揺さぶられるのだから、本作は素晴らしいんです。
早い方であれば30分足らずでクリアできてしまうゲームですが、そこに凝縮されたプレイ体験は唯一無二です。
本当によく出来ています。
加えて言えば、音楽も素晴らしいです。
作品の雰囲気づくりに大きく寄与しています。
本作はSTEAMで購入すると数百円で買える上に、無料でサントラも付いてきます。
とても嬉しいポイントです。
決して特別ではない物語だからこそ、あなたの胸を打つ。
ストーリー、演出、雰囲気、音楽、ゲーム性、すべてが極めて高いレベルでマッチした素晴らしい作品です。