<誰でもできる仕事>という言葉があります。
この言葉には2通りの意味があります。
1.誰でもできる仕事だから心配しないでね
2.誰でもできる仕事だから将来性はないよ
1は仕事を斡旋する側が使いますね。
とくに難しい仕事をさせるつもりはないから、気軽に求人に応募して欲しいという意味です。
2は労働者側が使います。
この仕事は特別なスキルを必要としないから将来性はない、だからやるだけ損であるという意味です。
ボクの偏見ですが、世間でよく使われる<誰でもできる仕事>という言葉は、2の労働者側から見たネガティブな使い方が多いように思います。
ボクは仕事でライン工を数年やってきました。
まさに<誰でもできる仕事>ですね。
元ライン工の<誰でもできる仕事>について思うことを書きます。
<誰でもできる仕事>というのは、半分本当で半分嘘です。
どんな仕事にも適性があり、適正を持たないものはその仕事を続けることができません。
それは、ライン工でもどんな仕事でも変わらないと思います。
ライン工と一口に言ってもさまざまな作業があります。
キツイ作業もあれば楽な作業もあります。
離職率はそれなりに高いです。
どこの職場でもそうなのかもしれませんが、辞める人はすぐに辞めてしまいます。
元ライン工として<誰でもできる仕事>という言葉の持つネガティブなイメージは、メンタル的にダメージがあるのも事実です。
特別なスキルを必要としないし、身に付くこともないからです。
しかし、まったく何も身に付かないのかと問われれば、そんなことはないと答えられます。
作業の効率化、体力あるいは持久力アップ、集中力の持続など、身に付くものもちゃんとあります。
ライン工に関わらず、まったく何も身に付かない仕事など存在しないでしょう。
元ライン工として強く思うのが<誰でもできる仕事>という言葉で、労働者を卑下するのは絶対にやめて欲しいということです。
<誰でもできる仕事>は、<誰でもできるけれども誰もやりたがらない仕事>であることも多いんです。
これと言ったスキルを身につけることもなく、将来性のない仕事なんて誰もやりたがるわけがありません。
しかし、現実として、<誰でもできる仕事>は誰かがやらなければなりません。
あなたが乗っている車、あなたが食べているもの、あなたの操作するスマホ、それらすべてが<誰でもできる仕事>に支えられて作られているんです。
自分自身も含めて<誰でもできる仕事>という言葉でネガティブになるのはいますぐやめましょう。
すべての労働者には存在意義があります。