※ゲーム批判や調整案ではありません。ぜひ最後まで読んでください。
以前にレイジアーツは好きではないことを書きました↓
レイジアーツが嫌いな理由としては、
「攻め手よりも受け手の方が得をする」という構造が好きではないからです。
受け手の方が得をするのなら、必然的に守りが強くなり、待ちゲーになりかねません。
それはアグレッシブというコンセプトにも反すると思います。
今回は、さらに踏み込んでレイジアーツの問題点を掘り下げます。
結論から、
「レイジアーツをケアするためにやれることが大幅に減ってしまう」
これが問題点でもあり、ボクが嫌いな部分です。
たとえば、最後の削りでヒート対応技をガードさせた場面です。
ヒートダッシュから有利(+5F)を取って、中段と下段の二択(この動画では13F中段と15F下段)を仕掛けます。
どちらもレイジアーツで両対応されます。
鉄拳をプレイしている方であれば、必ずこのような場面に遭遇しているはずです。
あるいは、構えからの読み合いを迫る場面です。
構えからの読み合いが機能しなくなります(この動画は極端な例ですが…)。
ヒートスマッシュから構えに移行するタイプのキャラも、途端にやれることが激減します。
せっかく有利を取って構えに移行したのに、構えを解いて仕切り直しという展開になりがちです。
あまり面白いと思えないんですよね。
レイジアーツがあるお陰で、やれることが一気に無くなるのです。
攻め手がビクビクしてなきゃいけないのが嫌いです。
「手を出せば損をする」のならば、手を出さずに様子見が増えます。
膠着状態になります。
気持ち良く攻められないのはストレスなんですよね。
ボクも、レイジアーツで何度も勝ちを拾いました。
同時に、何度もレイジアーツから逆転されました。
別に悪いことではないですし、そういうゲームと言えばそれまでなのですが、レイジアーツで勝っても負けてもちょっとだけくだらないですね。
最後に。
ボクは古参の一人として「レイジアーツが嫌い」なのですが、レイジアーツがおかしい!とかレイジアーツを弱体化しろ!なんて言うつもりは一切ありません。
逆転の目という要素は一概に否定されるべきではありません。
鉄拳のシーズン1では、極めて強力だったヒートバーストやヒートスマッシュがアップデートによって弱体化されました。
横でかわせるようになり、横移動からのスカ確を取れるようになりました。
受けるしかない超強力な手段に、ちゃんとリスクが追加されたのです。
ゲームバランスを考えるのなら、対戦ツールとしての完成度で見るのなら、正しい調整です。
しかし、新規さんや初心者さんにとってはどうでしょうか?
かなり残酷な調整だとも思うのです。
ヒートバーストでほぼ確実に切り返せる。
ヒートスマッシュをほぼ確実に押し付けられる。
これは新規さんや初心者さんにとって有り難い仕様だと思います。
現在は違います。
ヒートバーストにもヒートスマッシュにも発動のリスクがあります。
実際に鉄拳の大会を見ていても、「わざわざ起き攻めを捨ててヒートを発動する」なんて場面が何度かありました。
上手いプレイヤー同士の対戦だと、安易な発動は差しかえされるリスクが高いのです。
話をレイジアーツに戻すと、新規さんや初心者さんにとって、これほど分かりやすい逆転の手段は無いでしょう。
ワンコマンドで発動できて、細かな読み合いをすっ飛ばして大逆転できる。
これを取り上げたら、新規さんや初心者さんは、さらに鉄拳8を遊びづらくなると思うのです。
だから、ボクはレイジアーツが嫌いだけど、必要悪のようなものだと割り切っています。
スト4のリベンジゲージ、スト5のVトリガーのようなもので、対戦ツールとしてみれば問題がありますが、その作品の味のようなものではないでしょうか。
ただ、一つだけ、レイジアーツKO時の特殊演出を最終ラウンドだけにして欲しいです。
アズセナや一八など、レイジアーツでとどめを刺したときの演出が毎度流れるのは鬱陶しいしテンポが悪いです。

最終ラウンドだけだったら、ちょっとしたレア演出にもなって、まだ面白いと思います。